修学旅行に行ってきました。

 11月9日、私たち2学年は、東北への修学旅行に出発しました。学年を立ち上げたのが2021年、あの東日本大震災からちょうど10年の節目を迎えていました。「震災の記憶を風化させてはならない」、「南海トラフ沖地震がいつ起こるか分からない」、との思いから東北方面での震災学習を修学旅行のメインに設定しました。事前学習では、宿泊する気仙沼ホテル観洋の支配人の方の話をお聞きしました。「災害で“がれき”が出ると言いますが、あれを“がれき”と言って欲しくない」、というところが印象に残りました。“がれき”の中には、ご先祖の位牌や家族の大切な思い出が入っています。それをまとめて“がれき”と言って欲しくはない、と。それを聞いて2学年担任団は、そういったいろいろな見方ができる生徒を育てたい、心に抱えた痛みが分かる生徒を育てたいと思い、東北を目的地にしたのは間違いではなかったと確信しました。
 気仙沼での震災学習では、伝承館 (旧気仙沼向洋高校) を訪れました。出発前は、沖縄行きたい、などと言っていた生徒たちも伝承館に入った瞬間に目の色が変わりました。3階では津波で流された車が横倒しになっており、4階は同様に津波で流された冷凍食品の工場が衝突した跡が生々しく残っていたのを目の当たりにした生徒たちは、言葉を失っていました。最後に、震災10日後に開かれた気仙沼階上中学校の答辞を聞きました。内容はあえてここでは触れませんが、答辞を聞いている間、何人もの生徒からすすり泣きの声が聞こえました。気仙沼階上中学校 答辞と検索すれば動画も見られます。傷つきながらも震災から立ち直ろうという決意を感じて欲しいと思います。
 震災学習が終わった後は、東京での班別行動です。中学で修学旅行を経験せず、思い出を作れなかった生徒たちに、楽しい思い出を残して欲しいと思い、班別行動の日を設定しました。浅草に行ったり東京スカイツリーを見たりと、班ごとに楽しめたようです。この日は私服の設定としましたが、どの生徒も風越生らしい節度も持った行動ができ、よい旅行になったと思います。
 今回の旅行で、生徒から「震災の悲惨さを肌で感じることができ、今の生活が当たり前じゃないことを実感した。」、「コロナ禍で旅行に行けるは不安だったけど、実際に行けて楽しかった。」などの感想が上がりました。
 最後になりましたが、旅行に行くにあたり、様々な面でサポートしていただいた保護者の方々に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

2022年11月09日