1月23日(火)ホクト文化ホールで本年度の課題研究発表会が行われました。各科代表の個人またはグループがそれぞれ1年間を通して探究してきた内容を全校生徒、保護者、地域の方々、企業様などの前で発表する一大イベントです。ホクト文化ホール(中ホール)の1階席、2階席がほぼ埋まるほど大勢の聴衆の前で、どんなプレゼンテーションが行われたのかお伝えしたいと思います。
まずは司会が登場し、学校長、前生徒会長の青木雄大君のあいさつからスタートです。なお、画像は2階席から撮影したもので、鮮明でないものもあり、お許しを。(画像左 3年生の司会、右 清水史明校長)

最初のプレゼンは電気電子工学科です。
発表1:Wifiによる移動体の遠隔制御
発表2:移動体に対するワイヤレス給電
発表1はスマホを使って模型の電車を遠隔操作する研究でした。操作はWifi通信を利用してスマホから行うことになります。発表2ではワイヤレス給電をつかってミニ四駆を動作させるものです。共鳴結合方式という送電方式でミニ四駆に給電し、ワイヤレスでコースを走らせることができたことを報告してくれました。右画像はミニ四駆と走らせるコースです。近年、自動車への送電方式として注目されている技術です。

2番目のプレゼンは物質化学科です。
発表1:アミノ酸-A1錯体 複合ゲルを用いるαアルミナの低温合成
物質化学科の課題研究はアルミニウムのもとになるアルミナの低温合成についての研究でした。信大の山口朋浩准教授との高大連携プロジェクトに参加し、進めてきました。今回の研究で、従来のアルミナより低温合成したアルミナの方が粒が小さくでき、その結果、材料の性能が向上するということでした。こうした基礎研究の積み重ねが日本の工業を支えてきたのですね。

3番目のプレゼンは情報工学科です。
発表1:AIを活用したりんごの出荷判別システム
発表2:摩擦係数を推定するAIの開発
2本ともにオリジナルAIの開発がテーマでした。リンゴの出荷については現在、手作業で行われている選別作業をAIが判別して効率的に行うシステムの開発についてでした。摩擦係数の研究は、雪道などの走行時にカメラでとらえた画像からAIが摩擦係数を推定し、安全性を高めることをねらった研究でした。どちらもAIに学習させるデータの取得から検証まで試行錯誤の繰り返しの研究でした。

4番目のプレゼンは土木工学科です。
テーマ:裾花川ウォーキングロード施工
土木工学科では裾花川に沿ってウォーキングロードを施工した報告でした。
総額約1100万円の県の予算で行われる事業で、まさに公共事業そのものです。コンクリートで基盤を作り、その上を舗装して完成するまでの工程をプレゼンしてもらいました。場所の選定、工程、安全な作業など日々企業が行っているようなインフラ整備の実践報告でした。最近の自然災害の多発を考えると、市民に憩いの場だけでなく、治水事業にもなると感じました。

5番目のプレゼンは建築学科です。
発表1:未来の住宅プラン コンペティション
発表2:もんぜんぷら座建替え計画
最初のプレゼンは「高校生の設計した家」の全容を紹介するものでした。これは池田建設様とのコラボ事業で、将来、実際に家が建てられることになります。
2つ目のもんぜんぷら座建替え計画は老朽化した建物の建替えにあたり、住みたい県「長野」のイメージを生かしてスローライフ、ゆったりしたくらしを実現するための複合施設を設計したものでした。その他、展示室にはたくさんの生徒の作品が並べられていました。

最後のプレゼンは機械工学科です。
発表1:入場カウンターの製作
発表2:ロボットアームの製作
入場カウンターの製作は実際に長工祭の時にそれを使用して来校者の人数をカウントしました。製作にあたっては非接触型のスイッチを製作するなど、工夫が見られました。ロボットアームは完成したアームを実際に腕に装着し、ペットボトルをつかむ実演を行いました。このアームならやけどの心配もないですが、火中の栗は拾わない方がいいですね。

全科のプレゼンテーションが終わり、学校評議員の「みすずコーポレーション」大久保広子様より講評を頂きました。(右)

最後に
どのプレゼンテーションもレベルが高く、工業高校生の力を存分に発揮できた発表会だったと思います。3年生のビシッと決まったスーツ姿はもう社会人そのもの。1、2年生も3年生の姿を見て、新たな課題探求に挑戦することでしょう。長工の実践的な学びの場がいかんなく発揮された課題研究発表会でした。