人生の追求、社会の創造

本校では育てたい人間像として「人間力」「技術力」「実践力」の3つの力を身につけることとしています。「人間力」は工業の諸活動を通して誠実に努力する姿勢や生徒会やクラブ活動を通して人間力を磨きます。「技術力」では技術と技能の両方を学び確かな力を身につけ、社会に貢献できる専門力を磨きます。「実践力」では探究的な学びで思考力・判断力・表現力を育み、工業の多様な分野を学び技術の幅を広げます。
この育てたい人間像の実現のために全日制2学年で年間を通して次のプログラムに取り組んでいます。1学期に自己理解、他者理解、社会理解、業界理解を学び、自分自身について深く考えます。夏休みから2学期にかけて就業体験を実施して終了後に報告会を実施します。続いて金融リテラシー教育、企業講演会を実施します。3学期はおもに進路研究を行います。一連の流れの中で自己を見つめ、自己の特性や目標を真剣に考え、工業を学ぶ意義や自分の進路について具体的に目標を設定します。また、この活動には地域の様々な企業や大学、関係団体の協力を得て取組み、生徒一人ひとりが地域にとってかけがえのない人材として生徒の育成に取り組んでいます。

本校は、1918年(大正7年)に長野県で最初の工業専門の教育機関である長野県立工業学校として創立されました。以来、様々な発展的な変遷を経て本年度創立106年目を迎えます。現在は、全日制工業科6科(機械工学科、電気電子工学科、物質化学科、情報工学科、土木工学科、建築学科)、定時制工業科2科(基礎工学科、建築科)を有する工業高校です。本校の校訓は「至誠努力」としています。これは、「物事に対して誠心誠意に取り組み、努力を怠らない事」という意味です。本校はこの校訓を掲げ、前向きな努力をする伝統の下に1世紀にわたり長野県または全国の産業振興にとても大きく貢献をしてきました。3万人を超える卒業生は工業分野の技術者はもとより、様々な産業界で活躍をしております。
本校は、生命を尊び、平和を希求し、よりよい社会の実現を目指し、工業で新たな社会を創造するための技術力・実践力・人間力を身に着けることを生徒の育成方針としています。長野工業高校は学びの幅を広げるために探究的な学びで思考力・判断力・表現力を養い、社会に貢献できる人材の育成に努めてまいります。

☆☆☆ 中学生の皆さんへ ☆☆☆

現在は不確実で予測不可能な時代と言われています。このような時代に生きる皆さんに必要な力は、一人ひとりの持つ技量と自ら判断する力です。これから自らの人生を切り開いていくために自分自身がどのような人間になりたいのか、自分は何ができるようにするのかなど、人生の目標を考え、持つことがとても大切だと思います。
本校は、学ぶ目的がはっきりとしています。それぞれの学科の技術を学び、高めることは様々な可能性が生まれてきます。自己の希望で就職することも進学することも可能です。ものづくりが好きとか機械、電気、化学、情報、土木、建築のそれぞれの分野に興味があって学ぶことが楽しそうに感じたら是非、本校の説明会や文化祭に来てみてください。工業を学ぶことを通じて充実した高校生活を過ごすことができるとともに、充実した人生にもつながると思います。

令和6年4月吉日

 長野県長野工業高等学校
    校長 清水 史明