本校は、大正9年(1920年)に開校し、令和2年(2020年)に100周年を迎えた伝統ある農業高校です。地域農業の人材育成を掲げ、「質実剛健」「地域の先達」「世界に飛躍」という3つの教育指針のもと、「勉学の向上・健康の向上・品位の向上による健康にして教養豊かな科学的農業人の育成」を教育目標として掲げ、15,000名を超える卒業生を世の中に送り出しています。
現在、グリーンサイエンス科、生物工学科、環境クリエイト科の3学科を持ち、グリーンサイエンス科は、フード、フルーツ、フラワーの3コースを持ちます。また、生物工学科は、植物活用、動物活用、微生物活用の3コースを持っています。さらに、環境クリエイト科には、設計エンジニア、施工テクニカル、環境デザインの3コースが設置されており、農業の基礎的な専門知識・技術を学習しています。
本校では、基礎学力を身に付けさせることに重きを置き、その上で2・3年次はコースに分かれ各学科における基礎的な専門知識・技術を習得させています。また、3年次の課題研究では、地域の課題に対し、1・2年次に培った基礎学力と農業の専門知識・技術で取り組む学習が、地元農家、地域企業と連携し1年間をかけて行われています。その成果は、卒業論文発表会で公表され、農業の専門知識・技術の定着に寄与するとともに、次の1・2年生に引き継がれるようになっています。南農の研究レベルの高さは、このような伝統から築かれています。
これらの学習を通じ、卒業生の多くは、国公私立大学、短期大学、専修学校への進学や、公務員、農業協同組合、製造業、土木建設関連企業等へ就職し地域の産業を担う人材として活躍しています。また、大学や短期大学、専修学校を卒業し就農する卒業生も多く、地域の農業を支える人材としても活躍しています。
クラブ活動もとても盛んで、運動部では、県大会常連の男子バレーボール部、男女ソフトテニス部、陸上部をはじめ、夏の選手権大会準優勝の歴史を持つ野球部、サッカー部、バスケットボール部、卓球部などが活躍しています。学芸部では、総文祭で全国大会に連続出場の生物部をはじめとし、インターアクトクラブ、フラワーアレンジメントクラブ、美術部などが活躍しています。さらに、研究部活動では、農業クラブの全国大会に何度も出場経験のある植物バイテク研究部、微生物バイテク研究部、果樹研究部をはじめ、地域連携で多くの商品を生み出している動物バイテク研究部、食品研究部、地域の人々に癒しと安らぎを与える花卉を提供している草花研究部など、多くの研究部が地域と連携しながら研究活動に取り組んでいます。
ここ南農は、普通教科と農業の専門知識・技術、資格取得、クラブ活動、研究活動を通じて、職員全員で人材を育成する素地が整っており、今後もさらに飛躍が期待できる農業高校として県内のみならず全国的にも注目されています。
今後も、本校へのご支援ご協力を宜しくお願いいたします。
令和4年4月
長野県南安曇農業高等学校長
北 原 邦 俊