終業式・始業式

 本日は、終業式・始業式がありました。

 校長講話では、「単純な正義を疑うこと-島崎藤村『夜明け前』を読む-」というテーマでお話をしていただきました。小説『夜明け前』のなかで、明治維新によって文明開化・富国強兵の新しい日本が生み出されたが、それは人々にとっての「夜明け」ではないと、島崎藤村が考えていたことを紹介していただき、2021年の現在の問題に話を置き換えて考察を広げました。その問題を様々な政治家・学者・企業経営者たちが、こうすれば「夜明け」がくるはずだという解決策を提唱しているが、それは「本当に普通のひとびとのためになるのか?」・「自分自身が物事を単純化していないのか?」という「単純な正義を疑う精神」を持つことの大切さについての講話でした。

 最後に校長先生から「『弱い立場にある人々』のことを考えているか。」・「人間が『複雑な存在』であることをふまえているか。」という単純な正義に陥らないために大切な視点を教えていただきました。 式の最後には表彰式があり、全校で数学検定合格者を称えました。