2学期始業式

8月25日(月)2学期が始まりました。
まだまだ猛暑が続いていますが、あたりを見回すとトンボが飛び交い、稲穂も実をつけて次第に秋が近づいている気配です。
始業式では校歌を斉唱した後、学校長の講話がありました。以下学校長講話の要約です。

「みなさんは天動説、地動説という考え方を知っていますか。天体の運行についての考え方ですね。今日は人間の考え方にも天動説、地動説という見方があることをお話ししたいと思います。なお、これは少し前に亡くなった評論家の立花隆さんが著したものを参考にしています。
まず、自分を中心にまわりの人が動いているとみる人は天動説、自分中心でなく自分も周りの人も動いていると考える人は地動説になりますね。天動説の人は自己中心的で、自分の思い通りにならないとおもしろくない。一方、地動説の人はまわりを客観的に見ることができることになります。そして多くの大人は地動説に立ち、長期的な視点で自分の行動をとっています。では、人は生まれたときから地動説なのでしょうか。そうではないですね。赤ちゃんの時は自分中心で泣いて笑っていますね。動物も食うか逃げるか、即断即決の天動説です。人の成長の中で地動説的な行動が身に付く時期は2度あります。1度目は物心がつく頃。もう1度はまさにみなさんの年代の頃です。この時期に色々な知識を身につけ、経験を重ねることで地動説の考え方が身に付いていくのです。
人の成長過程では失敗や挫折があります。この時、天動説の見方をしていると結局、自分から立ち直ることができず、引きこもりや社会への不適応となってあらわれてしまいます。そのためにも皆さんは多くのリソース、つまり知識や経験を蓄えて、地動説の見方を身につけてほしいのです。
1学期の終業式にはコミュニケーション力、そのためのあいさつについて話をしました。それとともに自分の中にたくさんのリソースを蓄えてほしいと思います。実りある2学期になるよう期待します。(講話終了)

立花隆氏は「知の巨人」といわれた評論家でした。学校長の講話を通して、昨今、大人も天動説の振る舞いが見られるなと思いました。生徒の皆さんは、よい大人になるためにもこの時期にたくさん学び、いろいろな経験を積んでほしいと思います。