2023年12月22日(金)、本校会議室で女性技術者の方々と本校の土木工学科、建築学科の女子生徒との座談会が行われました。この企画は長野県建築士会の女性部会が主催し、実際に建築土木の分野で働いている女性と女子生徒の交流を通じて、この分野で働く女性を広めたいという主旨で行われたものです。

最初に、松本ゆりさんから基調講演が行われました。以下講演の主旨をまとめてみました。
(1)日本の働く女性の地位
日本では女性管理職の割合が13.2%で、この数字は東南アジアの国々と比べても低い現状にあります。
(2)ワーキングマザーを支援する制度の拡充
しかし、近年、働く女性を支援する制度としてたとえば、出産時の給与保障制度が拡充されています。20年前には給与保障が40%であったものが、現在は90%までになっています。将来的には100%の保障になると思います。また、育児、介護も男性、女性がともに分担する社会になってきており、女性の働きやすい環境になってきています。
(3)建設ディレクターについて
建設ディレクターという仕事があります。これは現場の生産性向上や働き方改革にむけた業務の改善、女性が活躍する現場の実現などを行うため、建設ディレクターが現場とバックオフィスの業務連携によって現場の悩みや疑問をサポートする仕事です。女性もこの仕事につく方が増えています。
(4)3Kから新3Kへ
かつて建設現場は3K(きつい、汚い、危険)と言われてきました。しかし今は新3K(休暇がとれる、給与が高い、希望が持てる)と呼ばれるようになっています。特に女性の就労が広がって、トイレがきれいになり、女性にあった作業着がつくられるようになるなど、働く現場は大きく変わっています。
(左 開会あいさつ 右 松本ゆりさんの講演)

自立した女性になれ
松本さんは講演の中でご自身の子育て体験を通じて、「自立した女性になれ」と強調されていました。かつて高度経済成長期に日本の産業モデルは男性が工場で働き、女性が家庭を守るという性別役割分担を固定化させてきました。しかし、時代は変わり、男性も女性もともに社会を担う立場で共同参画する時代となりました。長工リケジョの皆さん、社会はあなたたちを待っています。