昨年度好評だった長工リケジョシリーズを今年も継続します。連載第1回に登場してもらうのは物質化学科のKさんとYさんです。物質化学科は文字通り化学分野を学ぶ科ですが、その中でも工業分野の化学を中心に学ぶ科です。高度経済成長期の日本は石油化学で大きく成長し、その後公害に苦しみました。それを克服した現在、さらに大きな地球環境問題に直面しています。物質化学科では化学の力で日本の工業に貢献し、環境問題にも挑戦しています。そんな物質化学科で学ぶリケジョ2人にインタビューをしましたのでご覧ください。
実験中の授業に飛び入り参加させて頂きました。ちょうどKさんが実験をしていたので横で見学しました。
ーーKさん、これはどんな実験をしているところなのかな。
Kさん:私がしている実験は廃液処理で廃液を中和させる過程のものです。この廃液は酸・塩基の廃液をポリタンクに集めておいたものですが、その廃液に中和剤を加える処理をしているところです。
ーーなるほど、酸やアルカリの廃液はそのままでは流せないのか。それで中和させて処理するんだね。
Kさん:そうですね。こうやって中和剤を加えながらpHを測定しているところです。
つづいてYさんの実験を見に行きました。(グループごとに実験が違うわけです)
ーーYさん、これは何をしているのか教えてください。
Yさん:これは濃度が不明な水酸化ナトリウムの濃度を調べるため、塩酸を加えながらpHの濃度を測定しているところです。
ーー別のグループも廃液に中和剤を加えてpHを測定していたけど、やぱり中和させることが目的なのかな?
Yさん:そうですね、今は水酸化ナトリウムに塩酸を加えて中和する点を求めていますが、酸やアルカリはそのまま捨てられないので中和させて処理することが必要なんです。
ーーなるほど



中和剤を投入して、pH計でpH値を測定していました。
(実験中に無理に取材させていただき、失礼しました。グループの他の皆さんも楽しそうに加わってくれて助かりました)
ーー専門科目ではどんな科目が好きですか?
K&Yさん:課題研究が好きですね。これからバスボムをつくってみようと思っています。
ーーバスボムってどんなものなの?
K&Yさん:お風呂に入れる入浴剤のようなものです。重曹とコーンスターチ、着色料を混ぜてホホバオイルで固めます。型に入れると完成です。
ーー出来上がったら、ひとつください。(笑)
ーー他に印象に残っている授業はあるかな?
K&Yさん:そうですね、地球環境化学がおもしろかったですね。公害や環境汚染の原因になるものを化学的に追求した内容でした。過去の地球と現在の地球を比較して汚染によってどう変わってしまったのか知ることができて印象に残っています。水俣病や四日市ぜんそくなども化学の面から知ることができました。
ーーYさんは班活でラグビー班のマネージャーをやっていると聞いたけど、班活は楽しいですか?
Yさん:入班したきっかけはラグビー班の雰囲気がよさそうだったので入ってみました。大会の時は給水のサポートが忙しいですよ。トライの度に選手に水を運ぶため、休む暇なしです(笑)。
ーーふたりは将来どんな道に進みたいのか具体的な希望はあるの?
Kさん:私は看護師をめざそうと思っています。化学の知識が役に立つし、社会に貢献できればいいなと思っています。
Yさん:私は環境分析の技術者になりたいと思っています。物質化学科で学んだことをさらに深めて、将来の仕事になればいいなと思っています。


ーーKさん、Yさん、第1回長工リケジョに登場してくれてありがとうございました。インタビュー中に男子も加わって和気あいあいとした雰囲気で会話が進みました。クラスの雰囲気もよく、充実した3年生のスタートをきれたようですね。課題研究、授業、班活と忙しい3年生ですが、すばらしい学校生活が送れるよう願っています。
第1回長工リケジョシリーズ、いかがでしたか。実験を横で見ながら、違う性質のもの同士が混ざって化学反応を起こす過程がとても興味深いものでした。わたしたちの社会でも時として違う者同士が集まって新しいアイデアが生まれることがあります。そんな時も「化学反応」がおこっているのでしょうね。みんなで次の「化学反応」をおこそう!(次回をお楽しみに)