2学期終業式 校長講話

あの暑い夏を思い出すと、いつこの猛暑は終わるのだろうと思っていましたが、気が付くと雪の舞う終業式になりました。長い2学期を振り返ると、例年になく班活やコンテストなどの活動が盛んで、素晴らしい成果を残したことが印象に残っています。みな意欲的に取り組んだ結果が大会での結果に結びついたことと思います。こうした成果を残した生徒もいれば、やる気が起こらず、ただ何となく過ごしてきた生徒もいると思います。そこで今日は「やる気」について脳科学の分野から話をしたいと思います。

そもそも人には「やる気」があるのか、それとも「やる気」というものはないのか。人間の脳のしくみから考えてみましょう。人間の脳の重さは約1200g~1400gです。チンパンジーの脳が約400gなのでその大きさがわかると思います。人間の体重と人間の脳の重さを比べると、体重60kgの人の脳は体重の2%となります。ところが脳が消費するエネルギー量は全体の20%にも及ぶのです。非常に燃費の悪い臓器ですよね。そこで生物はなるべくエネルギーを消費しないようにするわけです。つまり何もしないのです。人間も何もしないのが基本なのです。
しかし、何もしないわけにもいかないですよね。そこで何かをした時、そしてそれがうまくいくと脳はドーパミンという物質を分泌して、達成感や到達感、充実感を感じるようになっています。では普段、ドーパミンをだすためにはどんなことが有効なのでしょうか。それには2つあります。1つは考えることです。成功をイメージすることです。2つ目は小さな目標をつくって、その目標を達成することです。小さな目標であっても、達成できると脳はドーパミンを出してくれる、そして次にむかう意欲につながるわけです。
このことから、やる気が出ない時、どうしたらよいか。まず、成功のイメージをもつ。そして身近に小さな目標をたててそれを達成すること、こうすることで脳にご褒美をあげてやる気を起こすことができるわけです。

さて、明日から冬休みになりますが、何か自分で目標を立てて過ごしてください。「やる気」が起きないときは、脳にご褒美をあげるといいですね。それでは次の始業式まで事故のないよう、そして良い年を迎えてください。