【土木工学科】1年生が現場見学と測量技術研修を行いました。

11月25日(金)に2年生が校外研修として、犀川の護岸工事の現場見学と最新の測量技術の研修会を行いました。午前中の現場見学は、学校の南側にある堤防の近くの川岸の護岸工事の現場です。今夏の豪雨により長野工業高校側の岸が大きく削れてしまい、近くにある長野市の浄水場取水井戸に被害を及ぼしそうな事態となったための緊急対策工事です。須坂市にある(株)北條組と新潟県の(株)植木組が「安茂里低水護岸災害復旧工事」として施工している現場です。

 

(改修工事前)                  (現在の工事中の様子)

学校で事前説明をしていただき、徒歩で現地に出向き見学しました。川が曲がる箇所では水流が川岸にぶつかり土砂を削り取ります。今回の工事では、対岸側の川底を掘り、川の流れを変えた後、えぐり取られた岸を造成後、川岸を保護するコンクリートブロックを敷並べます。川の水量が減る渇水期の冬期間に改修工事が行われます。

 

(写真1)川岸の盛土施工を間近で見学       (写真2)現場をドローンで撮影の3次元データで確認

最近の土木工事現場では、現場の省力化と高精度化を目的とし情報機器を活用したICT施工の導入が進んでいます。国が管理する1級河川の犀川に関わる今回の現場でも積極的に取り入れられていました。生徒達が土木技術者になったときには求められるスキルの一つにICT施工技術があります。ICT施工というものがどの様な技術であり、実際の現場でどう使われているのかを間近で見ることができました。

(写真3)重機に取り付けられた情報端末を用いての施工

午後は上田市にある(株)シーティーエスに移動し、最新の測量技術について学びました。

全体を4つのグループに分け、「講義」「3Dレーザースキャナによる地形データの観測」、「情報端末を用いた転圧管理」「情報端末を用いた掘削管理」の各講習をローテーションして受講しました。

 

(写真4)最新の測量技術について講義        (写真5)3Dレーザースキャナでの観測

 

(写真6)情報端末を見ながら転圧状況を確認   (写真7)センサとGPSで掘削位置を確認

2000年以降、情報処理技術の発展は建設業界に大きな変化をもたらしています。土木構造物を造るにあたり、調査、計画、設計、施工、維持の一連の段階や作業において情報処理機器を積極的に取り入れ、「省力化(多くの人の手を必要としない)」「効率化(長い時間をかけない)」「高精度化(客観的な基準で判断)」を進めようとしています。少子化による人手不足とベテラン技術者の引退といった背景はありますが、社会の先端技術を建設業界にどんどん取り入れようという動きです。

川の流れという自然の力に対して、堤防護岸という地域の暮らしを守る土木構造物の構築に携わる土木技術者の姿を見学し、土木工事現場を技術の進歩によって課題を克服し、より良いモノを造り出すために新たな技術が取り入れられていることを肌で感じた校外研修でした。本校に入学して半年、日々の専門分野の学びが社会を支える社会インフラの整備にどのように繋がるのかを体験を通して学んだ1日でした。