校章のいわれ


  本校の徽章は、Y・S・Cのアルファベット文字とYの文字にまきついている蛇2匹と翼を組み合わせて作られている。S・CはSuzaka  commercialの頭文字をとったものである。 
  Yは、本校創立者越泰蔵氏が経営しておられた山丸組製糸の頭文字である。
山丸組は大正時代、着々と発展し、昭和2年には県内工場8、県外3、釜数あわせて6,079となった。大正9年ごろより昭和3年ころまでがもっともはなやかな時で、個人経営としては全国に比類のない、巨大な山丸組製糸王国が出現といわれるなど隆盛が伝えられている。
 次に、Yの字にまきついている蛇2匹と翼であるが、商業の神と言われるマーキュリをあらわしている。マーキュリはイタリアの神であるが、ローマ人はギリシャの神ヘルメスと同一視しており、その神話もギリシャ神話のヘルメスを借りている。
 ヘルメスは多岐多能の神で、天地の間を往来し、神々の使者となったり、時には案内神として冥土へも通い、亡霊の、あの世への道案内をしている神である。そこで、ヘルメスは旅の支度をし、つばの広い帽子をかぶり、翼のある靴をはいている。その靴で天地の間を走りまわり、手には死後の世界の動物、蛇のまきついたカドウケス(神杖)を持っている。ヘルメスは、このように翼であちこちを走りまわり、富と幸福をあたえたので、旅人や商人の神として尊ばれていると考えられる。 このヘルメス(マーキュリ)の靴と翼と杖の蛇を図案化して徽章に取り入れたのである。