電気科
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学習風景

 3年間のすべての授業時間のうち約4割が工業科目の授業です。ここでは専門科の特徴である実験・実習の授業の様子を紹介します。

直流による基礎実習

オームの法則、抵抗の直並列接続  <1年>

 最も基礎的な電気の理論について実験を通して検証します。また、電気を学ぶ上で特に重要な、電圧や電流の考え方や測定方法について体得していきます。

倍率器・分流器、キルヒホッフの法則  <1年>

 倍率器・分流器は電圧や電流の測定技術です。キルヒホッフの法則は複雑な回路の計算に用いられます。これらについて、理論計算と実験による検証を行います。

交流による基礎実習

RLC回路  <2年>

 交流回路の基礎であるR(抵抗)、L(コイル)、C(コンデンサ)およびその直並列回路について実験し体得します。交流では、電圧や電流だけでなく位相やベクトルの考え方が重要となります。

共振回路  <2年>

 共振回路はLとCによる回路で、音の共鳴や地震による建物の共振振動などと共通する、電気の共振現象を起こす回路です。ラジオやテレビなどのチャンネル選択などにも使われています。

電力技術の実習

直流電動機・発電機  <2年>

 直流の電動機(モータ)や発電機には、分巻形・直巻形・永久磁石形などの種類があります。ここでは、代表的な分巻電動機や発電機について特性を測定します。

交流電動機・発電機  <3年>

 交流用の電動機(モータ)である誘導電動機や同期発電機の特性を測定します。

変圧器の特性試験 <3年次>

 変圧器(トランス)は、発電所や変電所で、または家電製品などの中で交流の電圧を変換するために使われています。ここでは、変圧器の特性を測定します。

電気工事  <1〜2年>

 家屋などの電気配線工事の基礎技術について学びます。
 電線相互の接続、電線と器具との接続、ケーブル工事、電線管工事の基本について体得した後、第2種電気工事士の資格取得を目指してレベルアップをはかっていきます。2年次には原則として全員が第2種電気工事士を受験します。

電子技術の実習

オシロスコープの取り扱い  <1年>

 オシロスコープは電圧の波形を観測する機器で、電子回路の動作を調べるために欠かせないものです。ここでは、オシロスコープの取り扱い方と共に、電圧・周波数・周期など交流信号の基本的な要素についても学習します。

ディジタル回路(論理回路)  <1〜2年>

 デジタル回路は、コンピュータをはじめとする最近の電子機器に利用されている回路で、AND回路・OR回路・NOT回路・各種のフリップフロップ回路が基本となっています。ここでは、その基礎回路について実験を行います。

トランジスタの特性、増幅回路  <2〜3年>

 半導体の基本素子であるトランジスタの特性や、トランジスタ増幅回路について実験します。 トランジスタの動作を知ることは、電子技術の学習の基本となります。

OPアンプの取り扱い  <3年>

 アナログ信号の処理に用いられるOPアンプICを用いて、各種の増幅回路などの実験を行います。

発振回路・変調回路  <3年>

 発振には、音源などに使われる低周波発振や、電波発信などに使われる高周波発振などがあります。実際に発振回路を組み立てて特性を測定します。
 電波を使って声や音楽などの信号を送るには変調回路が必要です。AMラジオ放送に使われている振幅変調回路を実際に組み立て、室内で電波を発信して動作を確かめます。

自動制御の実習

シーケンス制御  <3年>

 工場などの自動機の制御にはシーケンサがよく用いられます。ここでは、シーケンス制御の基礎からはじめシーケンサの基本的な使い方まで学習します。

PICマイコン  <1〜3年>

 マイコンは超小型のコンピュータで、家電製品をはじめとする様々な電子機器の中に組み込まれ重要な働きをしています。ここでは、PICマイコンを使いC言語によるプログラムを作成して、機器類を制御する原理を学びます。

製作実習 (電子工作 & 制御)

マイコン制御の自走ロボット製作  <1〜2年>

 PICマイコンで制御する自走ロボットを2年間かけて製作します。

 1年次ではPICマイコンを使った制御回路基板の製作を行います。ここでは、電子部品に関する実践的な知識を得ること、はんだ付け技術を体得することも重要なポイントです。

 2年次ではギヤボックスや車体の組立を行った後、1年次に製作したマイコン制御基板を組み付けて完成させます。
 最後にC言語による制御プログラムを作成してマイコンに書き込みロボットを動作させます。

情報技術の実習

エクセル、パワーポイント  <1〜2年>

 パソコンのアプリケーションソフトとして一般的に使われている、エクセル(表計算)、パワーポイント(プレゼンテーション)などの使い方について実習を行います。これらのソフトは、専門の技術計算や研究発表ばかりでなく、社会生活においてパソコンを使うときにも役立つツールです。

C言語  <2〜3年>

 C言語はコンピュータのプログラミング言語として用いられています。特にマイコンを用いた機器では制御プログラムの作成にC言語が一般的です。

HTMLによるホームページの作成  <3年>

 ホームページの記述にはHTMLなどが使われています。ここでは、HTMLのタグを用いてホームページを作成する実習を行います。

CAD  <3年>

 機械や電気・電子回路などの設計・製図(デザイン)を行うソフトをCADといいます。CADはその用途によりいろいろな種類のものがありますが、ここでは主に機械設計や回路設計CADについて学びます。

実習レポートの作成

 実習を行った後は、実験結果などをまとめたレポートを作成して提出します。 写真はある日の放課後の様子です。生徒達がクラス毎に実習室に集まりレポートの作成をしていました。「真剣にやらないと合格しないぞ・・・!」
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