清陵サイエンスフォーラム21
〜未来をひらく知の誘い〜
生徒の知的探究心を喚起、自然科学の魅力を満喫させ、未来への夢や希望を大きく育むことを目指し、全国各地で活躍するトップクラスの研究者・技術者を招いて講演会やシンポジウム等を開催します。  



 第8回 サイエンスフォーラム21 報告
日 時 2003年9月29日(月) 14時30分〜
場 所 諏訪清陵高等学校 小体育館
参加者 本校1・2年生徒、保護者・一般の方(約110名)
講 師  養老 孟司 先生 (東京大学名誉教授)
テーマ 「コミュニケーションする脳
        〜バカの壁を超えて〜」
内 容

1.はじめに
・諏訪は祖母の郷里でよく虫取りにきた。
・日本列島の構造上長野県はユニークな位置を占める。→よく観察すると自分の住んでいる地域が見えてくる。

2.個性とは
・個性は遺伝子的に最初から与えられている。
・「私は私」と自分は変わらないものと思っている人が多いが、人間は変わるものである。分子・原子のレベルでもどんどん変わっているし、考えていることも変わっていく。
・普遍的な論理には個性などない。→変わらないものは言葉(コミュニケーション)などの情報である。(万物流転・・・この言葉自体も変わらず真実である)

3.「学ぶ」・「知る」ということ
・「知る」→人が変わるということ
・「学んで」人間が変わると、行動に表れ「現実」になる。
・授業が退屈な人にとっては、その授業は現実ではない。
・教育とは人が変わらなければならない。

4.脳
・脳に五感を通して入力し、筋肉を通して出力する。
・いくら入力しても、出力をしなくては意味がない。脳の仕事は出力と入力のサイクルを繰り返すことである(体を使うことがまた考えることにつながる)。戦後の教育は入力に頼りすぎていた。いくら入力しても出力がなくては意味がない。文武両道とは入力(文)して出力(武)することである(知行合一もまた同じ)。学校では出力、入力ともに大切である。

5.質問
Q:小さい頃は何に興味を持っていたか?
A:休みの日は魚や虫を捕っていた。
Q:なぜ解剖学に興味を持ったか?
A:敗戦(小2)により価値観が変わり、確かなもの(普遍性)が欲しかったから。

 

 サイエンスフォーラム21 スナップ
講演に先立ち、吹奏楽部員による「バビロン河のほとりで」の演奏が行われた。 ホワイトボードを使って説明される養老先生。
   
講演後、会場を移して懇談会が行われた。 懇談会では、予定の時間をオーバーするほど熱心な質問が出され、先生には丁寧に答えていただいた。

 


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