長野県若槻養護学校
Nagano Wakatsuki Special Education School

校長室より



 若槻養護学校校長の大石卓司と申します。3年目になりました。よろしくお願いいたします。

 始業式では、学校教育目標「わたしらしく あゆもう」にかかわって、児童生徒に以下のようなお話をしました。



「わたしらしさ」は、とくいなこと、すきなこと、やってみたいことに表れていますし、これらに取り組むことは、エネルギーの源です。

 自分の中でやってみたいことはもちろん、クラスや部の友達や先生とやってみたいことも、一人ひとり考えてみてください。

 また、自分のペースが大事です。がんばりすぎると、エネルギーがなくなってしまうので、ちょっと休んでエネルギーをためるなど、自分のペースで取り組むことが、今も将来も大事な力です。

 そして、日々の中で感じる「うれしいこと」「こまっていること」、それから「なやみ」も、大切な私らしさなので、自分の中で大事にしてほしいと思います。

 自分の中で大事にするだけでなく、共に生活する者として、私たちも共有したい、そこで、自分なりの方法で、伝えられる分だけ、先生やお家の人に伝えてほしい、私たちも、一緒に喜んだり、考えたりしたいと思います。

 伝え方は、お話しでもいいし、ジェスチャーでもいいし、書いて伝えてもいいし、パソコンやタブレットをつかってもいいです。

 自分のペースで、一歩ずつ、どの一歩も大事な一歩です。素敵な一学期にしましょう。



このようなお話をしました。子どもたちは、とてもよく聞いてくれました。

 また、昨年度、先生方のご意見をお聞きしながら、今年度のグランドデザインを若干修正してあります。以下は、年度当初の職員会で、グランドデザインにかかわって、先生方にお話ししたことです。

 今年度から、「『わたしらしく あゆむ』を支える私たち(教職員)のあり方」を加えました。私たちには、その子にとっての専門性が求められますが、その専門性は、「その子らしさの理解と支援」「その子が今日に満足し明日を楽しみにする学校生活(授業)づくりへの姿勢」だということを確認したいと思います。

 特に、私たちは、ともすると、その子にとっての、今日に満足し明日を楽しみにする学校生活になっているかという視点を忘れがちになってしまいます。その子らしさが生きる学校生活になっているかを大事に、日々の支援に当たっていきたいという思いで、書かせていただいています。

 その下、(学び)では、学び方を選ぶ・「わかる・できる」の繰り返し・実体験の重視をキーワードとして、挙げました。その子が、私らしく学ぶためには、自分の得意な学び方に気づき、それを選べること、また、じっくりと「わかる・できる」を繰り返して、自分に自信が持てること、さらに、実体験から学ぶことを大事にしたいと思っています。

 次に、(自己理解)です。自分の苦手と得意の両方を知り、そんな自分をトータルで、受けとめられるような支援をしていきたいと思っています。継続とあるのは、人は、自己肯定感が高いときもあるし、低くなるときもあります。そうした中でも、徐々に自己肯定感が高まるよう、長いスパンで支援を重ねていきたいと思います。

 そして、(人とのかかわり)です。その子なりの人とのかかわり方も、様々です。人とのかかわりにハードルが低くなっている人もいれば、なかなか、踏み出せない子どももいます。私たちは、教師対子ども、といった一方的な、関係性ではなく、子どもと共に活動し、共に喜んだり悩んだりする、共同生活者として、その子の思いを肌で感じながら、その子なりの人とのかかわりを支援していきたいと考えています。

 職員会で、先生方にお話ししたことは以上です。

 以上のことを踏まえ、今年度も、保護者の皆さま、地域の皆様とともに、「わたしらしくあゆむ」児童生徒をしっかりと支えてきたいと思います。


令和7年4月       

若槻養護学校長 大石 卓司