「ありがとう」の重み
 今回、初めてハローアルソン・フィリピン医療ボランティアに参加させていただきました。活動を終えた今、参加してよかったと胸を張って言うことができます。
 4日間を振り返り一番に思い出すのは、フィリピンの方々の笑顔です。物資を受け取った時、歯の治療が終わった時、シャワーをしてもらった時、フィリピンの方が見せる笑顔は本当に素敵で私までパワーをもらいました。「経済的には貧困でも心は豊か」ときくけれど、本当にそのとおりだと思います。フィリピンの方の「ありがとう」の言葉には一つひとつに重みがありました。物資を渡して満面の笑みで「ありがとう」と言われたとき、自分だったら歯ブラシや石けんをもらってこんなに喜べるだろうかと、贅沢な暮らしを当たり前のようにしていた自分が本当に恥ずかしくなりました。
 この4日間で日本とフィリピンの差を強く感じました。医療奉仕活動の日の片付けの際に、その日一日で抜いた歯が一つに集められたトレーを見ると、そこにはたくさんの歯がありました。これらはすべて日本だったら抜かずにすむものなのかと考えると言葉が出ませんでした。また、フィリピンの中でも貧富の差を感じました。スラムからバスで数分行ったところに高層ビルがありました。私たちが夕食をとったところはどこも大皿に食べきれないほどの山盛りで、多くの残飯が出てしまいました。スラムではゴミをあさって生活をする人もいるというのに、自分はこんなに豪華な食事をしていて良いのだろうかと、複雑な気持ちになりました。
 また、一つの使命感に駆られました。それは、自分の口でこの活動やフィリピンの現状について伝えていかなければならないということです。活動に参加する前から、私の将来の夢は、教科書だけでなく自分の経験したことからたくさんのことを教えられる教師になることでした。今回の活動を経て、この想いがより強くなりました。海外に行ったことのないこどもたちに海外の現状を伝え、興味を持ってほしいと考えています。そして、日本という場所は本当に恵まれていて、これは当たり前ではないということを教えていきたいです。
 この活動を通して、フィリピンの方々の強さや自分の無力さなどたくさんのことを学びました。また、自分の生活を見直すことも出来ました。これからはフィリピンの方々のように笑顔で前向きに、感謝の気持ちを忘れずに生活していきたいと思います。
(3年 辻浦主愛)

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