食品化学科 NEWS
No.019 きなこ中のリンの定量
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10月
食品化学の授業で、食品中に含まれるミネラルのうちリンを定量しました。
分光光度計を用いた高度な実験を行いました。
今回は、モリブデンブルー法を用いて定量しました。
 酸性の溶液中でリン酸は、モリブデン酸と反応しリンモリブデン酸となります。
これを還元すると、モリブデンブルーという青色の溶液に変化します。
この青色の濃さから、リンの量を求める方法です。
 
事前にきなこを電気炉を用いて灰化させておきます。
この灰を5mlの塩酸に溶かし、100mlのメスフラスコで定容・希釈した溶液を試料としました。
 
まずは、試料溶液とリン酸2水素カリウム標準溶液を10倍希釈します。
リン酸2水素カリウム標準溶液は、リン量の目安として同時に測定します。

希釈した各溶液を、6本のメスフラスコにそれぞれ採取します。
リン酸標準溶液は、0mlから8mlまで2mlずつ採取量をかえました。 
 
6本のメスフラスコ全てに、モリブデン酸アンモニウム溶液4ml、
ヒドロキノン溶液4ml、亜硫酸ナトリウム溶液4mlを加えます。

 蒸留水で25mLに定容します。
その後、ふたをしてよく撹拌します。
 
この溶液を、測定セル(小さな容器)に注ぎ、分光光度計にセットします。
波長650nmの光の透過率(光が通り抜ける割合、溶液の色にあたる)を測定します。
この値は、機械の中で対数処理がされて吸光度という値として表示されます。
 
吸光度をY軸、リン量をX軸として、グラフを作成します。
リン酸2水素カリウムを用いた試験区の値を方眼紙にとり、グラフを作成します。
このグラフを使って、きなこ中のリンの量を求めます。