食品化学科 NEWS
No.012 米麹の液化力
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7月
3年生の微生物利用の時間で、麹菌から取った酵素ででんぷんの液化を行いました。
 液化力とは、酵素活性の指標の一つで、ヨウ素でんぷん反応が起きなくなるまでどれだけでんぷんを分解できるか示した値です。
今回は、麹菌の作る酵素「アミラーゼ」の液化力を実験を通して調査しました。
「アミラーゼ」は、でんぷんを加水分解する触媒として働く酵素で、でんぷんをブドウ糖や麦芽糖に分解をします。
 まずは、麦芽エキス液体培地で麹菌を培養し、酵素を取り出します。
1週間後、液体培地の表面に麹菌の菌糸でできたフタのようなものが出来上がります。
これをろ過して、酵素液として使用します。
 
試験管を10本用意し、そのうち9本に滅菌水を1mlずつ注ぎます。
次に、滅菌水を入れたものと入れなかったものの1本ずつに、酵素液を1mlずつ注ぎます。
滅菌水と酵素液が入った試験管から、1ml取り出し滅菌水入りの試験管に注ぎます。
この操作を繰り返して、酵素濃度を1/2、1/4、1/8と1/2倍ずつにしていきます。
最終的には、酵素濃度が1倍から1/512倍までの試験管ができます。
その後、試験管に、中性リン酸緩衝液(pHを7にする溶液)を1mlずつ加えます。
 
試験管10本を40℃のウォーターバスに入れます。

数分後、1%でんぷん溶液を5mlずつすべての試験管に注ぎます。
 
30分後、ヨウ素液を加えます。
その後、試験管を取り出してヨウ素でんぷん反応があるか観察します。
 
ほとんどの班で、3本目(1/4倍)でうすい青紫色になっています。
麹菌のアミラーゼがどれくらいでんぷんを分解したかわかりますね。
 次の実験では、麹菌のアミラーゼがどれくらいブドウ糖に分解できているかを実験で調べます。