食品化学科NEWS
No.027 しょうゆ中のタンパク質の定量実験A
硫酸アンモニウム中の窒素の定量
 11月
2年の食品化学では、ケルダール法を用いてタンパク質の定量を行っています。
この練習として、蒸留装置を用いて硫酸アンモニウム中の窒素の定量を行いました。

試料の分解が完全に済んでいれば、溶液中に「硫酸アンモニウム」という物質が存在しています。
これに強いアルカリと蒸気で分解し、
「アンモニア」という物質を発生させてタンパク質の定量ができるようにします。
正確な結果を得るには、この蒸留操作がとても重要です。
蒸留は難しい操作で、かつ時間がかかります。
一つの操作ミスで失敗につながってしまいます。
そのため、まずは硫酸アンモニウム溶液で蒸留の練習を行いました。

まずは、蒸留装置の蒸気発生器で水蒸気を発生させます。
沸騰までに時間がかかるため、その間に三角フラスコの準備をします。


三角フラスコに、硫酸を10mLとメチルレッドを数滴入れます。
久々にホールピペットを使っていますが、正確な操作ができました。


この三角フラスコを、冷却管の先端が硫酸につかるように装置にセットします。
フラスコの位置の調整に加え、傾きも調整するため苦戦しました。

蒸気発生器内の水が沸騰したら、次の操作に移ります。
まず、蒸留部上部のロートに試料をホールピペットで採取し、注ぎます。
注ぎ終わった後、ロートを蒸留水で流します。

 
 次に、ロートに30%水酸化ナトリウム溶液を10ml注ぎ入れます。
注ぎ終わった後、同様にロートを蒸留水で流します。
液が全て蒸留部に移ったら、ロートのコックを閉じます。

 
蒸気発生器と蒸留部をつなぐコックを開け、蒸気ドレンのコックを閉じます。
蒸留部に蒸気を送り込み、アンモニアの蒸留を行います。

 三角フラスコ内の液量が3倍になったら終了です。
冷却器の先端を液から離し、蒸留水で洗い流します。
その後ドレンのコック→蒸留部のコックの順に閉めます。

三角フラスコ内の液体を、水酸化ナトリウムで滴定を行います。
赤い溶液が黄色になったら終了です。

 
この蒸留操作を、試料で3回、蒸留水で1回行います。
非常に複雑な操作でしたが、何度も失敗を繰り返して操作を覚えることができました。