清陵サイエンスフォーラム21 関連
〜未来をひらく知の誘い〜
生徒の知的探究心を喚起、自然科学の魅力を満喫させ、未来への夢や希望を大きく育むことを目指し、全国各地で活躍するトップクラスの研究者・技術者を招いて講演会やシンポジウム等を開催します。  


 第1回 「すばる望遠鏡」遠隔講座
〜ハワイと諏訪と宇宙を結んで〜
平成16年11月27日(土)13:00〜14:15
諏訪清陵高等学校 会議室
講師:宮下暁彦 先生
布施哲治 先生
ハワイからの講義に耳を傾ける ハワイからの映像をプロジェクターで投影


お話の概要
   1998年クリスマスの日にファーストライトを迎え、2001年から共同利用がされているすばる望遠鏡は、現在、128億光年かなたの銀河をとらえることができる。
70〜80%の晴天率、空が澄んでいる、日没から日の出までの気温が安定しているため、陽炎が出ないなど等の天文観測条件が整っているため、標高4139mのハワイ島マウケアナ山頂に建設された。八角形の小さい鏡を貼り合わせて、14/100万分mmの精度に研磨して、直径8m、厚さ20cmの主鏡の建設に7年を費やした。さらに、主鏡の下にアンチエーターを備えてコンピューター制御によって理想的な鏡面にしている。
高さ40mの円筒形ドームは、悪天候から望遠鏡を守るだけではなく、望遠鏡のまわりにスムーズな風の流れを作り、地上付近の乱れた空気が入らないようにしており、主鏡等を併せて世界最先端の機能を維持するための100名ほどのスタッフがメンテナンスにあたっている。
すばる望遠鏡は、地球近くの太陽系の天体の火星から地球から一番遠い128億光年かなたの銀河までが観測することができる装置である。宇宙は、100億光年かなたの粒になって観測される2000億個の天体が集まってできた銀河が2000億集まったものであり、水素ガスが集まって生まれる星から宇宙空間にガスをまき散らせて死んでいく星まで観測することができる。
参加者からの質問とそのお答え
Q.太陽系は銀河のどの辺にあるか。
A.うずまき銀河の端に位置している。

Q.100億光年の光を見ているということは、500億光年の光が観測できる望遠鏡ができるようになったら、宇宙の始まりが見えるのではないか。
A.人工衛星に搭載されている望遠鏡によって、宇宙の始まりのビックバーンは137億年前に行われたことが解明された。ビックバーンは水素原子をつくり、時をつくったものであるから、例え500億光年の光をとらえる望遠鏡ができたとしても137億年前のことは何も考えることができない。

Q.高校生への職業選択アドバイスをお話してください。
A.星が見えない都会に住んでいたため、親に買ってもらった百科事典にある不思議を解決したいという気持ちから天文学者になった。色々な不思議を解決したいという気持ちを持ち続けて欲しい。また、世界・日本では2015年に向けて30mの主鏡を備えた望遠鏡建設計画がある。

Q.10億光年等の距離はどのようにして測るのか。
A.近くの天体の場合は、視差を使って計測する。遠い天体の場合は、光のドップラー効果をによって計測する。


「すばる望遠鏡」公式HPへのリンクは下記です。情報満載!詳しく見たい方はどうぞ。
http://subarutelescope.org/j_index.html
ハワイからの映像をプロジェクターで投影 講義の様子

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