セイコーエプソンによるSSH連携講座の報告


■ 数学の連携講座「GPSのアルゴリズム」 が行われました。詳細は以下のとおりです。

講 師 セイコーエプソン株式会社 ビジネス開拓本部
  GPSビジネス推進部 課長 松本 一実 先生
  GPSビジネス推進部 主事 内田 周志 先生
テーマ GPSのアルゴリズム
場 所 長野県諏訪清陵高等学校 社会1番教室
期 日 平成15年11月29日(土) 9:00〜11:00
参加者 1・2年生希望者(18名)
概 要

 GPS(Global Positioning System)について、その歴史、原理、将来の展望など、プレゼンテーションソフトを用いながら説明がなされた。数学との関連は、GPSの信号として使われているCDMAをどのように用いて信号としているのか、コード処理はどのように行われているのか、また実際に位置をどのように計算しているのかなど簡単な例で演習を行いながら行われた。

@ GPSの概要説明(歴史等)
 1942年にロラン、米軍により軍事目的として開発される。1973年から米軍により衛星を使った位置測位をするシステムとして運用が開始される。近年は、衛星から送られてくる信号を民間でも使えるようになり、様々な分野で活用されている。

A GPSのしくみ
 衛星からの三角測量をシステムの基本としている。衛星は搭載している原子時計(セシュームやルビジューム等を使った非常に正確な時計)の時刻を電波送信している。位置を計算するのに最も誤差の少ない3つの衛星からの電波から送信した衛星の位置、送信されてから受信機に到達するまでの時間を計算し距離に換算し、位置を算出している。実際には、時差、測定誤差、電波のドップラー効果等があるがそれらを補正した上で算出されている。

B GPSで用いる電波CDMAについての演習
 CDMAの信号の簡単な説明(イメージ)に続いて演習。CDMAを使って信号をどう伝えるのかでは、簡単のために拡散符号が4bitの2回繰り返し符号を例として行われた。また、その信号を利用して実際にはどのように位置を計算するのか、その際使われる関数についても紹介された。

C GPSの未来像
 GPS技術の開発に伴い様々な分野で将来的に活用がなされる。例えば、人を捜す、緊急通報時の位置の確認、写真に位置を表示する、アルバムの新しい整理法、時差修正のいらない時計の開発、ペットや荷物にGPSをつけて場所を特定するなど・・・。各分野での市場もこれから開拓されるため、これらの開発が未来の我々の生活を大きく変える力を持っている。

D 開発者として伝えたいこと
 開発者として高校生に今身につけておいて欲しいこと。これからは、国際化の中でとりわけ英語力を磨いて欲しい。更に開発者として一番大切だと感じられるものは、『体力』であり、『体力』を高校生の間にしっかりつけて欲しいとのこと。

生徒の様子 希望者ということで実施したためか18名という少し寂しい人数ではあったが、その分演習を行ったり、生徒への質問ができたりとよい点もあった。
内容も生徒の関心のもてる内容ではなかったかと思う。最後の質疑応答では4名の生徒が質問をして、関心の高さが伺われた。
 

■ 講義風景

セイコーエプソン株式会社 松本さん と 内田さんに講演して頂きました。(画像は松本さん)
"まもなく、携帯電話にGPSがあたりまえになる。その携帯の中身はこうなっています。"
このGPS端末で建物の中でも現在位置を特定できる。
聴講生徒は2年SSH講座の生徒が中心 誤差が少しあるが、地図上に現在位置(本校)が示された。
GPSの信号として使われているCDMAは微弱な電波による通信である。衛星から届く微弱な電波信号をGPS端末でいかに復元するか。その原理を演習によって理解した。 信号コードの処理の原理について終了後も熱心に質問する生徒。(最右 講演者の内田さん)

 

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