信州大学によるSSH連携講座の報告


■ 数学の連携授業「微積分への招待」が行われました、詳細は以下のとおりです。

講 師 信州大学理学部教授 服部久美子先生
テーマ 「微積分への招待」
場 所 長野県諏訪清陵高等学校 会議室
期 日

8月25日(月) 13:05〜14:10(4限)
8月26日(火)  8:30〜 9:35(1限)

対 象 3学年理系(α)講座選択者(112名)・本校職員・他
概 要

1.イントロダクション
『無限を数える』が今回のテーマ。実数の集合は有限か無限か、無限であるならばどのように説明(証明)するのか。

2.数の集合
自然数、整数、有理数、実数の集合の確認。また、高校の授業ではあまり目にしない新しい記号も紹介。

3.「数える」とは番号をふること
「数える」⇔「自然数と1:1に対応をつける」ことを確認。さらに集合の要素を「数える」ことで集合の濃度を定義した。

4.加算集合
自然数と等しい濃度を持つ集合を可算集合という。例えば、正の偶数全体の集合、正の奇数全体の集合、整数など。
定理『有理数の集合は可算集合である』ことを証明。分母で分類して並べ、番号を付けていく。

5.実習の集合は加算集合ではない
定理『(0,1)={xは実数:0<x<1}は可算集合ではない』ことを1874年にドイツのカントールが証明。この定理を用いて定理『実数の集合は可算集合ではない』ことが証明される。

講師の
お話から
高校生のときに感銘を受けた本『無限と連続』(遠山 啓著)を教材に授業を行った。理科系の大学1年生が最初に学習する内容と全く同じ内容で行ったので多少難しかったかもしれないが、大学の授業の雰囲気を感じ取れたのではないでしょうか。
生徒の様子 『無限の数え方』に驚いた様子。また、それぞれの定理の証明の中にある先人達のアイディアに触れることができたのは刺激となったようである。そしてまた、さわりではあるが大学の数学の授業を受けることができ大学の雰囲気を感じ取れたのではないだろうか。
 

■ 服部久美子先生の講義風景

今回のテーマは「無限を数える」
真剣に講義を聞く生徒達
服部先生の大学での講義の雰囲気がしっかり伝わってきました
大学生と同じくしっかりノートも取っています

定理「(0,1)は可算集合ではない」
1874年にカントール(ドイツ)が証明しました

最後に自由提出の宿題が出ました

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