信州大学によるSSH連携講座の報告


■ 数学公開授業「符号理論」 が行われました。詳細は以下のとおりです。

講 師 信州大学理学部助教授 花木 章秀 氏
テーマ 符号理論
場 所 長野県諏訪清陵高等学校 理科1番教室
期 日 平成15年6月6日(金) 13:05〜15:25
参加者 2年SSH2講座(24名)
概 要

@イントロダクション
一冊の文庫本の裏に載っているISBN番号を、一箇所だけ飛ばして花木先生に伝えると・・・先生はコンピュータを操作してそこへ入る「正しい数字」を当ててしまった!ここからこの授業が始まった。

A符号理論とは
たとえば宇宙船が太陽系の他の惑星に行って、その写真などを送ってくる。とても遠くから送信するため、地球でその情報を正確に受信することは困難である。そこで、誤りと分かるだけでなく、それを訂正する技術が必要となる。これを行うのが「符号理論」であり、実際に惑星探査船「ボイジャー」は「二元ゴーレイ符号」という符号を利用して木星などの写真を送ってきた。

Bベクトルと行列
・「0と1しかない世界」での加法と乗法の確認
・ベクトルについて(加法・内積)
・行列について(行列の積)

Cハミング符号
・ハミング符号による誤り訂正(生徒達は実際に計算に取り組む)
・ハミング符号の仕組みについて

D二元ゴーレイ符号
ボイジャーで実際に使われた符号の説明

E良い符号って一体何?
良い符号とは、情報量の増加が小さく、誤り訂正能力が大きい符号のことである。

講師のお話から 高校生を相手に授業を行うのは初めてであったが、中にとっても熱心に聞いてくれる生徒がおり、非常に楽しく授業ができた。
生徒の様子 日常に「技術」として用いられている数学を体験する事ができ、非常に刺激になった。
ブラウザを用いて符号の誤りを訂正する様を見て、生徒達は不思議に思うと同時に興味を持ったようだ。その仕組みを学ぶ段階では、積極的に自分で計算する様子が見られた。
 

■ 花木章秀先生の講義風景

「符号とは」という話から授業は始まった。 花木先生が「誤り訂正」を実際にやって見せてくださると、生徒達は驚きの声をあげた。
真剣に講義を聞く生徒達。 テキストの「問い」を解く生徒達。
鉛筆が軽やかに走る。 わからない事は積極的に質問。
教育実習生も真剣そのもの。

 


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