1学期終業式講話(2019年7月30日)

皆さん、こんにちは。
1学期の始業式で、「周囲と良好な人間関係を築くきっかけとなるあいさつを、自分から先に明るくしましょう」ということ。「学習する身近な環境を整える清掃をしっかりしましょう」ということ。「人間の尊厳を支える円満で善良な人格の完成を目指しましょう」ということの3点についてお話ししました。
5月25日に実施した第1回公開授業のアンケートでは「先生、生徒の皆さんの挨拶が素晴らしいと思いました」と書いてくださった方がいらっしゃって、私もとてもうれしくなりました。
一方で、6月10日に実施した第2回公開授業のアンケートの中には「生徒からの挨拶がなかった。来客にはきちんと挨拶をした方が校風が良くなると思う」というご意見もありました。やはり来校される方は生徒や職員の挨拶を見ていらっしゃるのですね。
私自身は吉田高校の生徒はよくあいさつをしてくれると感じていますが、引き続き、学校の内外で、自分から先に明るくあいさつすることを心がけていきましょう。
7月5日に「生きていく上で大切なこと」と題してお話しいただいた比田井和孝先生の講演会は、全校生徒の71.4%が「大変よかった」とアンケートに回答してくれました。
先生のお話の中には数々の印象に残る言葉がありましたが、「今の自分を作ってきたのは親でも環境でもなく自分自身であり、作られたものは変えることができる」という言葉が印象に残ったという感想が多く見受けられました。
ところで、広島東洋カープの菊池涼介選手は、高校時代を長野県で過ごした、日本を代表するプロ野球の名内野手ですが、菊池選手はサイン色紙に、恩師である高校時代の野球部の監督さんから教えられた「全ての事は心から始まる」という言葉を書き添えていると聞きました。スポーツをしている人なら耳にしたことのあるフレーズかもしれません。
私たちの行動、立ち居振る舞いを決めるのは、自分の心の在り様です。心で思うこと、考えることが行動につながり、その人の人生を創るのですから、消極的にものごとを考えない。物を恐れたり悲観しない。言葉が意識に働きかける力は強いので、常に自分も周囲も明るくなる言葉を発して心を積極的にする。
比田井先生は「人生は思ったようになっていく」ともおっしゃっていました。
「全ての事は心から始まる」。1学期の終業式にあたり、この言葉を皆さんに紹介します。
関東甲信地方もきのう梅雨明けしたようで、いよいよ本格的な夏です。熱中症などに注意して、事故・怪我のない、充実した夏休みにしてください。
そして、9月2日には、また全員の元気な顔を見せてください。
終わります。

入学式式辞(2019年4月3日)

昨日来、名残の雪が舞いましたが、肌寒さの中にも木々の芽吹きや柔らかな陽の光に春の訪れを感じる季節となりました。この、すべてのいのちが輝く春の佳き日に、平素より本校の教育振興に格段のご高配を賜わっておりますご来賓の皆様ならびに保護者の皆様のご臨席を賜り、平成三十一年度長野県長野吉田高等学校の入学式を挙行できますことは、誠にありがたく心より御礼を申し上げます。
ただいま入学を許可いたしました新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。本校すべての在校生、職員を代表してお祝いを申し上げるとともに、心より皆さんを歓迎いたします。保護者の皆様、本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。皆様が大切に育んでこられましたお子様が長野吉田高校での多様な学びを通して、自らの人生を切り拓いてゆく力を一層伸長させることができますよう、本校職員一丸となってお子様を支え指導してまいります。ご家庭におかれましても、何卒、本校の教育活動にご理解とご支援を賜り、お子様の自立と成長のため、お力添えを賜りますようお願い申し上げます。
さて、入学生の皆さん。長野吉田高校には教育課程やシラバスに明示された授業を中心とした学びと、学校行事や生徒会活動、班活動などにおける潜在的な学び、活動や人とのつながりから得る多様な学びが用意されています。高校では、こうした多様な学びに皆さんが主体的に取り組んでいくことが何よりも大切になります。
私は、かつて勤務した高校で、当時東洋大学の名誉教授でいらっしゃった英文学者の奥井潔先生が「labor」と「work」の違いについてお話しになった講演をお聞きしたことがありました。「labor」とはいやいややっている仕事、おもしろみを感じていない仕事のことを言い、「work」とは喜びと生きがいを感じ好きでやっている仕事のことを言う。生徒の皆さんは「worker」にならなくてはいけないというお話でした。言うまでもなく「labor」と「work」は職種の違いを指すのではなく、精神の在り方の違いを示しているのです。
皆さんが長野吉田高校での学びに主体的に取り組み、呼吸によって新鮮な酸素を体内に取り込むように、学びを通して新たな自分を形作る材料を存分に取り込み、状況の変化にも柔軟に変容できる、しなやかな自己を形成してくれることを期待しています。
次に、混迷の世の中といわれる現代にあって、正解のない様々な課題に協働的に向き合っていくには、主体的であることと同時に「他者とつながる力」をしっかりと身に付けることが重要であると考えます。デジタル機器を介して、スピーディーで広いネットワークを構築できることも大切でしょうが、多様な人間関係の中で仲間のことを思い、直接的なコミュニケーションを通して周囲との良好な人間関係を構築する力を身に付けることが不可欠です。
皆さんには、長野吉田高校における多様な学びを通して主体性や協働性を培い、他者とつながり、新たな社会を創造する一員として存分に活躍できる力を備えてほしいと願っています。
ところで、高校に入学したことにより、今までとは環境が大きく変わる中、日々の生活を充実したものとするには、心身の健康が欠かせません。そのためには規則正しい生活を送ることです。朝は自分で起き、朝食をしっかりとる。余裕をもって登校し、授業に集中する。先ずは、そうした基本的な生活のリズムを大切にしてください。
結びに、本日ご列席の皆様に重ねて感謝の意を表し、入学生の皆さんの本校での生活が充実したものになることを心より期待して、式辞といたします。

平成三十一年四月三日
長野県長野吉田高等学校長  山﨑 宏

1学期始業式(2019年4月3日)

1学期の始業にあたり、3点お話ししたいと思います。
少子高齢化やグローバル化、高度情報化が急速に進展する現代にあって、正解のない様々な課題に協働的に向き合っていくには、「他者とつながる力」をしっかり身に付けることが大切であると考えます。その際、デジタル機器を介して、スピーディーで広いネットワークを構築できることも大切でしょうが、先ずは多様な人間関係の中で、直接的なコミュニケーションを通して周囲との良好な人間関係を構築する力を身に付けることが不可欠であると考えます。周囲の人と良好な関係を築いていくきっかけとなるのが「あいさつ」です。学校の内外で、自分から先に明るくあいさつをする。長野吉田高校の生徒の皆さんはよくあいさつをしてくれると思いますが、ぜひ学校の内外で自分から先に明るくあいさつすることを今以上に大切にして実践してほしいと思います。
次に、本校には恵まれた施設・設備がありますが、勉強に向かう気持ちが整うためには学習する身近な環境を整えることも大切です。ぜひ、引き続き、清掃をしっかり行うことをお願いします。
最後に、価値観の多様化ということが言われて久しいですが、わたくしは、多様な価値の中にも序列があると考えています。健康で衣食住が満ち足りていれば人間として幸せなのでしょうか。人間の尊厳性、尊さを支えるものは、やはり、善良な人格、良い人格であると考えます。円満で善良な人格が、人間の尊さを支える大切な価値なのではないでしょうか。自身の人格の完成を目指して生きることを考えるうえで、参考にしてほしい本を1冊紹介します。吉野源三郎さんの「君たちはどう生きるか」です。原作は日中戦争の発端となった盧溝橋事件が起きた1937(昭和12)年に発行されました。これまでも知る人ぞ知る名著として読み継がれてきた本ではありますが、マガジンハウス社が漫画化したことがきっかけとなり、80年後の現在、幅広い世代に支持されて200万部を超える売れ行きとなったことは皆さんも知っていると思います。本校の図書館の蔵書にもなっています。すでに読んだ人もいると思います。自分の生き方を考える契機となる本はたくさんあると思いますが、読みやすい本ですので、ぜひ手にとってみてください。