楽しいボールあそび運動」 ~昭和幼稚園訪問~

11月1日、長野市の昭和幼稚園を訪問し、園児と「楽しいボールあそび運動」と称してボール遊びをしてきました。

 

まずは自己紹介。年長さんたちと遊びます。まだ緊張している様子・・・。

 

続いて準備運動。「声が小さいぞっ!」というと一気に声が大きくなりました。

 

「とる」「なげる」「うつ」に分かれてボール遊びをします。

 

「とる」では手を「ワニさん」にして高校生が投げたり転がしたボールを捕ります。

 

「なげる」では「とんとんくるん!」を合い言葉にまずシャドーピッチングをします。

続いて実際に投げてみます。後ろの植木のところまで投げてしまう園児も!

 

「うつ」ではまず「ぶんぶん体操」をしてバットを振るイメージをつかみます。

実際に打ってみます。上手に打てたときの園児の顔がパッと明るくなるのが嬉しかったです。


11月1日(月)
 発信者:深沢

 今日は長野市柳原の昭和幼稚園にお邪魔して園児と一緒に「楽しいボール遊び活動」をしてきました。

 そもそもこの企画が立ち上がったのが、毎年12月に篠高近隣の少年野球チームを招いて「篠ノ井Baseball Fes~主役は君たちだ!~」というイベントを開催しているのですが、幼稚園にお勤めの保護者から次のような話をいただいたのがきっかけでした。
 「少年野球の小学生は既に野球を始めている子たちですよね。まだ野球を始めていない子たちにも何かアプローチをしてみてもいいんじゃないですか?」

 なるほど、と思い早速その保護者の方が勤務されている幼稚園で交流ができないかと動き出しました。



 今野球をやっているものは、昨今の野球人口の減少や野球離れの一助となるべく何かしら行うのは使命ではないかと思っており、選手たちにもその話をしました。こうして初の幼稚園訪問が決まりました。

 しかし使命感に駆られて動き出したのはいいのですが、幼稚園児とどのように交流すれば良いのか、野球の楽しさとどう伝えれば良いのか、全く分かりませんでした。初めての事ですから勝手が分かりません。


 そんなとき、NPBから野球を未就学児に普及する活動の手引き書が各高校に届きました。現在、高野連とNPBは共同で未就学児などへの野球の普及活動を実施しており、各校で実施の際にはこの教本が参考になれば、ということで配布されたものです。大変分かりやすい内容で、大いに参考にさせてもらいました。

 
 幼稚園訪問の前々日、練習後に教室で手引き書の動画をみんなで見ました。最初は面白がって見ていた生徒達ですが、「果たしてこんなことを俺たちができるんだろうか?」という焦りも伝わってきました。いかに恥ずかしがらず大きな声で分かりやすく伝えることができるか。そこがまず第一のハードルであると思われました。

 その後各セクションごと(「とる」「なげる」「うつ」)に分かれて自分達の担当部分の動画を見ました。この辺りから生徒達は「やるしかない!」という感じで互いに意見を出し合い、「こう伝えたらどうだろうか?」とか「この時間を少し長くしたらどうだろうか?」とかかなり建設的な話し合いが行われました。最初はやらされ感がありましたが、自分達でやる!、というように積極的に活動するようになりました。


 翌日の練習試合の後と、当日の朝に生徒を園児に見立てて練習を重ねていざ、昭和幼稚園へ向かいました。


 園の駐車場へ到着すると、園庭で遊んでいた園児たちが、「あっ、野球の人達だ!」と声を上げて注目してきます。その園児たちの反応を見て生徒達も一気に緊張感が増してきました。

 園庭の近くへ行って待機していると、園児たちがたくさん寄ってきます。しかし園児たちと話しているうちに生徒達はリラックスしてきたように見えました。


 時間になりいよいよボール遊びが始まりました。対象はゆり組、だりあ組、すいせん組の年長3クラスの園児たちです。生徒達も3班に分かれて、1班がメインで各クラスを担当して、他の班がサポートに回ります。


 まず自己紹介をします。「○○コーチです。よろしくお願いします。」その後準備体操をします。元気いっぱいの園児たちです。

 それから「とる」、「なげる」、「うつ」に分かれて活動をします。

 「とる」ではまずボールの持ちかえをします。右手から左手、左手から右手・・・。これを目の前、頭の上、体の後ろで行います。難易度が上がっていっても一生懸命に取り組む園児たち。それから手を「ワニさん」の口にしてしたから投げられたボールやゴロをキャッチします。


 「なげる」では「とんとんくるん!」を合い言葉にシャドーピッチングを行います。両手を横に広げて「とんとん」でトップを作り、「くるん!」で体を回転させて腕を振ります。投げるイメージをつかんでもらいます。
 それが終わったらキャッチャーに向かって実際に投げみます。回数を重ねるうちにどんどん上手に投げられるようになってきます。


 「うつ」では回転で打つイメージを作るために「ぶんぶん体操」をして体の回転に合わせて腕を振ります。その後スタンドティーで実際にボールを打ってみます。硬い表情の園児も上手に打てて、生徒から「ナイスバッティング」と声をかけられると自然と笑顔になっていきます。

 

 年長の園児たちは予想していたよりもはるかに素直で(笑)、それぞれの活動がスムーズに進行しました。大きな怪我もなく無事活動を終えることができて本当に安堵しました。

 帰りのバスでは生徒達はみんなぐったりしてひと言も喋りませんでした。感想を聞くと、多くの生徒が「こちらもかなり気持ちを上げて接しなければならなかったので、幼稚園の先生方は本当にすごいと思う。」と答えていました。

 

この活動を通して、野球の裾野拡大に少しでも貢献できたかどうかは分かりませんが、園児たちの前で今までの自分の殻を破って活動することができたことは生徒達にとっても人生において大きなプラスになってくれると思います。

 池田園長先生、このような場を与えて頂きまして本当にありがとうございました。園の先生方、暖かく迎えて下さって感謝致します。

 また仲介して頂きましてこの場を作って下さった青木先生ありがとうございました。

 清水先生、お忙しい中、突然の申し出にもかかわらず連絡や施設案内をして頂くなどありがとうございました。

 早速アップされていました園のHPで、園児たちの中で「楽しかったね」とか「野球やりたい」という声があったというのを見て心が温かくなりました。

 少しでも野球の将来に、園の活動に貢献できたのであればこれに勝る喜びはありません。素敵な一日をありがとうございました。