清陵サイエンスフォーラム21
〜未来をひらく知の誘い〜
生徒の知的探究心を喚起、自然科学の魅力を満喫させ、未来への夢や希望を大きく育むことを目指し、全国各地で活躍するトップクラスの研究者・技術者を招いて講演会やシンポジウム等を開催します。  


第17回 清陵サイエンスフォーラム
演題「ファンダメンタルズに戻ることの大切さ」
日 時 平成17年10月8日(土) 9時30分〜11時55分
会 場 本校 小体育館
講 師 小池 康博先生 (慶応義塾大学理工学部教授)
内 容  小池先生は,現在JSTのエラトウ小池フォトニクスポリマープロジェクトを行っている。フォトニクスポリマーというのは光学・プラスチックという意味である。光はnm(ナノメートル)の大きさになると分極がおき通り抜ける。この光の性質を利用して、先生は高速屈折率分布型ポリマー光ファイバーというものを考え出した。これはポリマーに添加物を加え屈折率の分布をつけるものだが,加えるものの粒子の大きさをnmの大きさにすれば光は散乱せず分極のレベルになるのでより速く通り抜けるこができる。 不純物をいかに取り除くかが課題であった当時、あえて不純物を加えるという逆転の発想に、学会では様々な批判や非難を浴びることになる。しかし、このような苦渋の経験が先生をして、ファンダメンタルズを学ぶことの契機にもなったのだった。ベル研究所での様々な国の人々との切磋琢磨や励まし、協力。そして、自分の信念を信じて基本に返って学ぶこと。皆が賛成しないときにこそ、「自分がやっていることがイノベーションかもしれない」と考え、最新の研究の岐路においては、必ずしも最新の論文が役に立つものではないことを、身をもって実践されたことが、現在世界的に注目され、様々な分野で応用され使われている先生のすばらしい研究へとつながっていったのだった。 先生はぜひドリームを持とう。いつしかドリームがビジョンになり、ビジョンがプランになるだろう。プランは実現させるためにあるのだ。それが実行につながる。「是非頑張って下さい。期待しています。」と清陵生にエールを送り、締めくくられた。

<トップへ戻る>  <SSH関係のトップへ>