〈H28 中・普国語〉
松本盲学校は、長野県中南信の全盲・弱視などの目の不自由な人が通う学校です。生徒数は、約30人で0歳~約60歳までが通っています。
盲学校には、見えにくさをカバーする教材がたくさんあります。 ここでは、その中のいくつかを紹介します。
自立活動室 | 学校の模型があり白杖の練習ができます |
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支援相談室 | 教育相談ができ、この学校以外の人も来られます |
治療室 | 理療科が実習を行うところで、地域の方も来られます |
早期支援教室には、幼稚園に上がる前のお子さんとそのご両親が通っています。視力に合わせた学習をしています。全盲のお子さんに対しては、何でも触れる手を目指して、音が出るものや感触がよいものなどの教材を使い、ものと言葉が一致するような学習をしています。また、弱視のお子さんには、視力が発達するような学習や、見ることの楽しさを教えています。
全盲・弱視の子、ともに、人への不信感をなくすように多くの人と関わるようにしています。そして、早期支援を出た後は、本校の幼稚部に入学したり、一般の保育園や幼稚園に通いながら教育相談として、幼稚部に来る子もいます。早期支援はお子さんとご両親ともに愛してくれるのでとても居心地のよい場所です。
登校したら最初に朝の会をします。その後は個別学習やみんなの活動をして給食を食べて掃除をして下校します。
幼稚部では3歳~入学前の子どもたちが活動をしています。保護者の付き添いがないのは早期支援教室との大きな違いです。またもう一つの違いとして、一対一の学習だけではなく、みんなの時間といった工作や運動など集団で行う活動があることも挙げられます。
この部には小学部、中学部、高等部普通科があります。
単一生は一般校と同じように教科学習をします。
重複生は一人一人に応じた学習をしています。
そのほかに、自立活動の時間があり、歩行や点字の学習をしています。
小学部では一般校と同じ勉強をしています。教材は拡大教科書や点字教科書などを使用しています。
さらに小学部は近くの旭町小学校と交流しています。運動会や音楽会などのイベントに参加したり、国語、音楽、道徳の勉強もしたりしています。
小学部にいたときは、給食が美味しかったな。今でもそうだけど。助かったなと思うことは、見えにくいところを先生がカバーしてくれたり工夫して見えやすくしてくれたりしたところかな。好きだった教科は、体育と理科と社会ね。
旭町小との交流はね、音楽会の練習や運動会の準備が大変だったな。それでも盲学校でも家でも練習してみんなと合わせて本番を迎えられたよ。嬉しかったな。
中学部では、一般の勉強はもちろん、テストも当然あります。テストの文字サイズは、一人一人に合わせています。
交流は、旭町中学校と文化祭や交流草取りなどをやっています。
テストはつらい。ホントにつらい。ですが、ハロウィンやクリスマスパーリーなどがちょくちょくあるので嬉しいです。中学部のうりは、みんな明るいところです。なんだかいつでも笑っています。このごろは、自立の時間にクックパットで調べたお菓子を作っています。友達は歩行練習をしています。一人一人やる内容が違うので面白いですよ。
普通科には『普通コース』『職業コース」『生活コース』があります。
本校専攻科理療科、本校保健理療科、筑波技術大学、地元私立大学、作業所など
普通科の1番の特徴は月1で松本美須々丘高校と交流をしていることです。文化祭に行ったり一緒に授業を受けたりしています。普段は1対1の授業なので大人数の中に入るといろんな意見も聞けるしたくさん刺激も受けられます。これからもっと友達を作っていきたいです。
理療科には、専攻科理療科と保健理療科があります。
専攻科理療科は、あん摩・マッサージ・指圧師、はり師、灸師の資格をとるための専門課程です。
高校卒業以上の人が入学できます。
保健理療科は、あん摩・マッサージ・指圧師の資格を取るための専門課程です。高校卒業の資格も得られます。
理療科総人数 | 約10人 |
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年齢層 | 20~60代 |
Aさん
ここの知り合いから紹介され、来ました。年に25回来ています。通い始めて5年くらい経ちました。一般だと、治療費4000円のところここでは500円くらいで治療をしてくれるので、助かります。
Bさん
私は、この場所を盲学校の知り合いから聞いて知りました。ここに治療に来る前までは肩が上がらなかったけど、治療してもらったら肩が上がるようになったので、感謝しています。
この部では主に中南信の小中学校、高校、特別支援学校で見え方が気になるお子さんの相談に乗っています。盲学校に来てもらうこともありますが、ほとんど先生たちの方から出かけて行きます。今年の先生は4日に1度他の学校に行ったそうです。このようにフットワークの軽い先生が担当しているので、お気軽にご連絡下さい。
盲学校では、一般校と同じように部活動があり、運動部と学芸部に分けられます。
盲人用の球技はすべてボールを転がします。
これは盲人用のバレーです。
一般のバレーのように6人制でルールもほぼ変わりません。
大きく違うのは、ボールをネットの下に通すことです。
また、前衛と後衛があり、前衛は目隠しをし、後衛は目隠し無しでプレーをします。
9人制で行う野球です。
ボールはハンドボールを使用します。
ピッチャー、サード、レフトは目隠しをしほかのポジションは、目隠し無しでプレーします。
目隠しをした選手が塁に出られるように各塁にコーチャーという人がいます。
これはいわゆる卓球です。ボールの中に鉄球が入っているのが特徴です。ちなみに今年の卓球部は、ほんとうに強いです。団体戦では北信越優勝、個人ではほぼ全員がメダルをいただいたしだいでございます。でも気軽にできるスポーツなので、ぜひ体験に来てください。
音楽部では水曜日と金曜日の朝、元気に楽しく歌っています。これまでに取り組んで来た曲は「海の声」や「手紙」などです。文化祭や終業式で発表しています。歌うことが好きな人はぜひ来てください。
お皿や入れ物など各自自由に作品を作っています。小学部から理療科まで部を超えてゆっくりお話をしながら活動が出来るのも魅力です。窯も在るので本格的な作品作りを楽しめます。