2018年度(平成30年度) 理数科 課題研究

研究生徒 理数科2年39名(男子24名、女子15名)
研究班数 8班

<研究テーマと内容>概要

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物理1班 紙飛行機が遠くまで飛ぶ条件

 紙飛行機をより遠くまで飛ばすにはどうしたらよいのか。本研究では紙飛行機の迎え角の変化、アスペクト比(翼の細長さを表す数値で、値が大きいほど細長い)の変化によって、期待にはたらく揚力、抗力が変化することに着目した。風洞を用いて、人工的に空気の流れを作り、飛行している状態を再現し、条件を変化させてえ実験を行い、得られたデータを比較した。その結果、紙飛行機を遠くに飛ばすには、アスペクト比が大きいとき迎え角を小さくし、アスペクト比が小さいとき迎え角を大きくすればよいことが分かった。
物理2班 新聞紙橋 ~新聞紙20枚で人が渡れる橋を作ろう~

 「2011年度伊那北高校 課題研究報告集」を読み、新聞紙で何kgにも耐えられる橋を作ることに興味を持った。そこで、新聞紙20枚と接着剤のみで人(約70kg)が渡れる橋を作るにあたって使用する部材の選定の必要性を感じ、新聞紙棒・新聞紙帯の耐荷実験を行い、強力な部材の選定ができた。また本実験として、3種類の橋を作って耐荷実験を行った。人が渡れる橋は作れなかったが、耐荷重30kgの橋を作ることができた。
地学1班 樹木の傾きと地すべりの関係

 伊那北高校に足を運んで下さったことがある方にはお分かりの通り、私たち伊那北生は毎日この足を疲れさせる薫ヶ丘を登って登校しています。一体この坂は何なのか?そんな疑問から、この研究はスタートしました。斜面にはいくつかの地すべりが見られました。また、その周辺の樹木に注目すると傾倒している樹木が多く見受けられました。そこで、樹木の傾く方向と大きさを測定して、樹木の形状や傾きの方向データを得ました。それらのデータを地形と重ね合わせると、樹木の傾きから地すべりの活動度が評価できることが分かりました。
生物班 上伊那産のメダカ性転換体の産卵と気温が性転換に及ぼす影響

 皆さんはメダカが性転換することをご存じでしょうか。このことは、実際に証明されており、昨年度の本校の研究により、上伊那の水域でもメダカの性転換が起こっていることが分かった。昨年度の研究を引き継ぎ、今年度は性転換したメダカに産卵させようと挑戦した。我々は、昨年度に性転換体が見つかった上伊那某所のメダカをいただき、その中に性転換体がいるか調べた。しかし、昨年度は3匹もいた性転換体が、今年度は1匹も発見できなかった。今年度は気温という外部環境の変化に着目し、性転換体が発見できなかった理由を考察した。
化学2班 溶質の種類による膜透過性の違い

地学2班 グランドコンディションと砕屑粒子の関係

 私たちは、昨年度の課題研究発表会で、グラウンドコンディションと砕屑粒子の関係について興味を持った。そこで、先行研究を踏襲し、地面と靴の間に働く摩擦と、砂粒の大きさの関係について考察を深めるために、硬式・軟式テニスコート、サッカーフィールド、野球グラウンドの4領域の摩擦を測定した。また、大きい砂粒と小さい砂粒の割合を変えながら混合し、摩擦にどのような影響を与えるのか調べた。これら2つの実験から、大小さまざまな砂粒が混合すると、摩擦が大きくなることがわかった。このことから「小さい砂粒が摩擦に与える影響は無視できない」という結論を得た。
数学班 フィボナッチ数列 [自然界に存在するフィボナッチ数列]

 フィボナッチ数列とは、1202年発行「算術の書」においてイタリアの数学者レオナルド・フィボナッチによって提唱された数列である。最初の二項は1とし、以後どの項もその直前の二項の和となる単純な数列でありながら、自然界に多く存在しているのか疑問を抱き研究を行った。本研究では、身近な例の1つであるヒマワリの種の配列を対象とし、黄金比とフィボナッチ数、連分数との関係から種の配置効率の追求、ヒマワリの種の配列にフィボナッチ数列が登場する理由を考察した。研究方法として、ExcelのVBAでプログラミングをし、実際の種の配置をシミュレーションし、種が重なっている部分の面積を求めた。すると、φ×2π[rad]を回転角とし回転させながら種を配置すると、最も効率が良いことが分かった。さらに、この方法で種を配置すると、φを連分数近似した際にその分母がフィボナッチ数列になることから、種の配置にフィボナッチ数列が登場することが分かった。
化学1班 炭の種類と脱臭効果の科学的検証