【土木工学科】3年生が裾花小学校5年生とコンクリートタイルをつくりました

本年度、3年生7名が裾花小学校5年1組の児童の皆さんと地域連携学習をしています。テーマは、「裾花小学校中庭再生プロジェクト」です。
裾花小学校の南側にあるあまり活用されていない状況の中庭について環境を整備することで子供たちが利用する明るい場所に変えたいとのクラス目標に、高校生が普段学んでいる専門性を活かして一緒に取り組みました。高校生は地元の児童との交流を通じて、自分たちの専門的な学びを振り返るとともに、限られた時間内に児童に分かりやすく伝え、安全を確保しながら作業を進める経験から他者に教える方法や工夫、広い視野と細かい配慮など、社会性を育む機会となっています。
子供たちから何か形に残るもので中庭の環境を変えたいという希望があり、高校生からひとり一人の手形を押したコンクリートタイルの製作を提案しました。タイルの大きさは厚さ5cm、30cm四方です。コンクリートは私たちの暮らしを支える社会インフラ(橋、トンネル、建物、鉄道、道路、堤防、空港、ダム、他)に用いられるとても身近な素材です。小学生にコンクリートが何でできていて、どの様につくられるか知ってもらい、暮らしを支える土木に興味と関心をもってもらえる好機です。
1回1時間の交流でつくれるタイルの数には限りがあるので、クラスを3つのグループに分け、三週間でグループを交代しながらつくりました。そして、残りの2グループは、身近にある橋の構造について、人が渡れる大型模型を高校生と一緒に組み立て、実際にその強さを体験することで、構造の持つ強さを利用した技術に触れ、土木の面白さを知る機会としました。

  

写真1                     写真2
(写真1)身近にあるコンクリートの紹介とその作り方を説明します
(写真2)セメント、水、砂、石を混ぜてコンクリートを練ります

 

(写真3)コテを使って表面を平らにしています (写真4)手のひらを押しつけて手形をつけています

二日後に型から外して完成です。32名の児童と担任の先生のコンクリートタイルができました。
レンガをアーチ状に並べ、土台を外して円弧状のアーチ橋を手作りしました。

 

(写真5)小学生が手作りした手形のコンクリートタイル (写真6) レンガアーチ橋の構造と作り方を説明します

レンガを並べただけの構造に心配ですが、重いレンガを丁寧に並べています。
おそるおそる渡っていますが、レンガの隙間に湿った砂を入れただけの橋が、強いことにびっくり。

 

(写真7)レンガアーチ橋をみんなで協力してつくっています  (写真8)レンガアーチ橋を渡ってみました

棒を三角形に組み合わせたトラス橋について、三角形に組む前と後で強さの違いを体験してくらべます。
板状の構造は真ん中が大きくたわみます。

 

(写真9)トラス橋の構造と作り方を説明します。 (写真10)トラス状に組む前のやわらかさを渡って確かめます

自分の背よりも長い部品を皆で声をかけながら支え合って組み立てます。見る間にトラス橋となります。
棒の部品を三角形状に組んだだけなのに、真ん中のたわみがなく、丈夫になりました。

 

(写真11)協力してトラス橋を組み立てます    (写真12)トラス状に組むことで強くなったことを渡って確かめました

作業の合間に身近にありながら、子供たちに知られていない土木のことについて、興味や関心を持ってもらおうと、分かりやすく説明します。

(写真13)身近にある土木について紹介もしました