★校 章
昭和26年に2名の生徒(井原勝、唐沢孝雄)
によってデザインされた。
阿智高校のシンボルである楝(おうち)の木の
葉と、阿知川のさざ波をかたどっている。
 阿智高校の校章は、昭和26年(1951年)の開校間もない頃に松尾義丸先生(物理・
数学担当)の指導のもと、2名の生徒(井原勝さん、唐沢孝雄さん)が創作したもの
である。校歌の歌詞にもある阿知川の清流の波しぶきと楝の葉を図案化している。
 デザインは生徒と教職員から募集し、応募作品6、7点の中から全校生徒と教職員
の投票によって選ばれた。
 井原さんは、『阿智高校30年史』の中で当時を振り返って、「伍和の私は、私と共
に左側に座っていた会地の唐沢孝雄君と真剣に校章のデザインについて悩んでいたの
である。( 中略 )絵が好きで何枚か図案を持って来た唐沢君と相談して、阿知川
の波と、阿智村の木、あふちの木の葉と、高という字を入れてバックにつや消しの点
々を入れた。この波の形は海の様だとか、波頭を外に向けてみようとか。外に向けた
形も割と良かったが波頭が欠けやすいのではないか、又、あふちの葉の位置を不自然
にならぬ様に等々・・・。こうして出来上がった校章の図案は、二人共自信のないまま
「松尾先生に一応見て頂こうか」と云うことになった。そしてそれがいつの間にか、
正式な校章として発表されたのです。」と記している。
 
この校章は、阿智高校のシンボルとして今日まで多くの生徒や職員に愛され親しま
れている。正面玄関の屋上に設置されている大型銅製の校章(縦約1m、重さ約80s)
は、1980年に第29期卒業生209名から寄贈されたものである。
 第2期生として本校を卒業した井原勝さん(後の井原優山画伯)は、日本画家でイ
ンド哲学者の佐藤紫雲氏に師事を仰ぎ、水墨画を勉強された。読売日本テレビ、産業
能率大学、NHK学園などでの水墨画の講師や、水墨画「墨優」主宰、全国水墨画美
術協会理事審査員などをされている。84歳になった今でも、水墨画作家の第一人者と
して精力的に作品を制作されていて、60回を超える展覧会での入選や文部大臣賞など
の受賞がある。特に、雄大で躍動的な駿馬の水墨画が有名である。本校には、井原画
伯から寄贈していただいた2点の水墨画がある。1点は北校舎西階段の1階から2階
へ上がる踊り場に『阿智村』が、もう1点は正面玄関の職員下駄箱上に『駿』が掲げ
てある。いずれも大作である。