★校 歌
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 阿智高校の校歌は昭和28年(1953年)12月に完成し、翌年3月の卒業式に披露を兼ねて歌われた。
 歌詞、曲ともに格調高く、極めて芸術的価値が高いと称される。特にコーダ(終結部)は、男声と女声を交互に歌い、最後は斉唱で高らかに青春の賛歌を歌いあげるドラマチックな校歌であり、多くの卒業生に愛され親しまれている。
 作詞は早稲田大学の服部嘉香教授、作曲は東京音楽大学(現在の東京芸術大学)の井上武士教授によるものである。
 服部教授は詩人・歌人でもあり、関西大学学歌や新宿区区歌の他に小中学校の校歌なども作詞している。井上教授は音楽教育家・作曲家で、皆さんのよく知っている「うみ」、「チューリップ」、「ぞうさん」などの唱歌や童謡、日本各地の学校の校歌など数百曲を作曲している。
 服部教授は、阿智高校の様子などが書かれたものを基に作詞を始めたが、昭和28年11月には実際に阿智高校を訪れて校舎や周辺の様子などを確かめている。学校では、前もって原作の歌詞を印刷したものを生徒たちに配布し、歌詞についての意見を書いてもらっていた。「高原を流るる川」という部分については「高原に川はない」、「阿知川を入れてほしい」、「ゆったりとした力強い浩然の気分を表してほしい」などのいろいろ意見があった。教授は生徒一人ひとりが書いたものを丹念に読み、直接生徒たちと意見を交わした。その折に、「校歌は諸君の気にいったものを作りたい。私はそれを代表としてまとめる。だから作者は生徒だ」と言われた。
 こんな素晴らしい校歌である。いろいろな機会に皆さんと一緒にしっかり歌っていきたいと思う。
 なお、校長室には飯田市の実業家で詩人でもある多田三七氏の筆による校歌の額が、第一体育館には昭和57年度卒業生から贈られた旧職員片桐鉄矢先生の筆による大額が掲げてある。また、正面玄関前に昭和49年度卒業生から贈られた松澤傳十校長の筆による歌碑が設置されている。いずれも見事な作品で、阿智高生の心の糧となっている。
  (阿智高校三十年史参照)