信州大学との連携による物理講座の報告


■ 物理の連携講座「物理の世界」が行われました、詳細は以下の通りです。

講 師

信州大学理学部物理科学科教授 寺尾 洌 先生(第1時限)
信州大学理学部物理科学科助教授 小竹 悟 先生(第2時限)

テーマ

 「物理の世界」

場 所 本校物理教室
期 日 2004年2月14日(土) 第1時限 8:30〜9:35  第2時限 10:10〜11:15
対 象 1年生A1・A4講座希望者 25名
概 要

○第1時限 「原子を数える」
1.原子は実在すると思うか
・古代から現代までの科学的なものの考え方を説明する。
・原子説は人類共有財産でもあり、歴史的所産である。歴史をたどることは大切なことであり、考える楽しさは遊び心から来ている。
・古代エジプト・バビロニア・ギリシャの物質観、古代中国の五行思想。
2.古典文化の終焉
・ピタゴラスの数論的自然観、デモクリトスの原子・空間の認識、ソクラテス・プラトンのアカデメイヤ、
・アリストテレスのリュケイオン 科学研究が充実し、その後これを超えるものは近代まで出てこなかった。
3.イスラムの科学
・古典文化の継承・東方文化との接触・学術文化の発見 0の発見
4.中世ルネッサンス
・レオナルド・ダ・ヴィンチが自然界を観察し、いろいろな機械の発明をする。
5.近代科学
・ガリレオ・ガリレイ実験・数理、トリチェリ真空の発見、ニュートン万有引力の法則
6.化学的原子論
・ラボアジェ、ドルトン気象観測、メンデレーフ周期律、アボガドロ アボガドロの法則
7.気体分子運動論
・マクスウエル 球状分子衝突を力学で精密に研究
8.原子を捕らえる
・ロシュミット、アインシュタインの考え方 ペランが原子を20年かけて数える。

○第2時限 「懸垂線の話」
1.懸垂線の性質
定性的…左右対称、下に凸    他の紐と比較し、形に相違が無いことがわかる。
定量的…どうやって測定するか 写真に撮る グラフ用紙に貼ってなぞる。
ロープの両側を持って懸垂線をグラフに写し、座標を読み取る。測定結果からどうやって情報を引き出すか考える。測定結果を有効に使う方法として平均値・近似直線を引く・最小二乗法を挙げる。特に最小二乗法について原理を学習する。
2.コンピュータでグラフを描く
コンピュータ上でパラメータを変えて偶関数を描き懸垂線にもっとも近い数式を見つける。
懸垂線の一般式を使わなくても、2次関数と4次関数の和で懸垂線が近似できることを学習する。
実験で他の人が言っていることと違っても、まず目の前にある自分の測定データを信じて、他の人と違う理由を考えることが大切

講師のお話から グラフを書かせなど実際に作業する時には積極的にやっていたと思うが、考えや意見を尋ねた時の反応は多少鈍いものがあると感じた。
生徒の反応・様子

ある程度の数学の基本的知識がないと、理解に苦しむこともあり、数式が出てくると理解度が下がる現象が見られた。しかし、体験的な学習には積極的に取り組む姿勢がみられ、この授業に対する興味・関心の高さが伺えた。

 

 

 


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