平成17年度
海外科学セミナー
 本校は明治28年(1895年)4月創立以来、質実剛健の気質と自主自立の精神を校風の基調としている。大正11年には天文部をはじめ物理や化学などの科学会が誕生し現在に至っている。中でも天文部の黒点観測は1950年より始まり、半世紀以上にわたり現在なお観測が続けられている。平成14年には財団法人科学教育振興基金より奨学金を受けて研究をし、その年「SBC(信越放送)学校科学大賞」を授与している。
 オーロラは科学的に見ても奥が深く興味をそそるが、神秘的な魅力や幻想的な変化が科学者や世界中の多くの人を虜にしている。しかしながら、オーロラの出現にはいくつかの条件が必要で、地球磁場の存在と太陽からの太陽風は中でも重要な要素になっている。地球上でも北極圏,南極圏という限られた場所で限られた時にしか出現しないのはこの為である。この条件を満たすための太陽の活動と太陽に現れる黒点とは重要な関係がある。
 また、本校が位置する諏訪地方はオーロラの最盛期に最も低緯度で観測された地として知られ、地域にとってもオーロラは身近な存在として捉えられている。本校で長年計測してきた黒点観測の意義を今回の新SSH事業にのせることで、科学的にも希少価値のある研究にまとめたいと考えている。
 SSH事業の目的の一つでもある「未来の科学者・研究者を発掘する」を目標に、細部にわたる事前調査から現地での様々な観測・研究所見学・語学研修と幅広く体験させる。さらに半世紀に及ぶ研究の成果として学校、地域をあげて取り組んでいきたい。
期   日
平成18年3月6日(月)〜11日(日) 5泊6日
*詳細日程については12月中旬以降に掲載予定
場   所
米国アラスカ州フェアーバンクス市 
研修場所
アラスカ大学 国際北極圏研究センター 地球物理研究所 他
  スキーランドにてオーロラ観察(現地時間22:00〜3:00)
講   師
アラスカ大学 国際北極圏研究センター所長 教授 赤祖父俊一
今後の日程 2005年11月6日
  プラネタリウム講演会(佐久市子ども未来館)参加
  赤祖父俊一氏と事前打ち合わせ
  館内展示見学
2005年11月〜
  <事前研修@>毎週金曜日 放課後
   対象者:派遣生徒4名および希望者
   内  容:黒点・オーロラの原理、極地実験、写真講習会、気象条件調査
  <事前研修A>早朝週一程度
   対象者:派遣生徒4名および天文気象部
    内  容:NASAケネディスペースセンターとネットミーティング
2005年12月17日
  南極北極オープンフォーラム参加(東京 国立極地研究所)予定
現地での
実験実習例
・気象観測(温度,湿度,圧力,南中高度など)
・放射線測定(α,β,γ線)
・高緯度実験(伏角,フーコーの振り子実験,重力加速度測定,磁場実験)
・電波測定(音波測定,FM波測定)
・低温実験(凝固,シャボン玉,霧吹き)
・2地点間測定(GPSの利用,地球の半径測定,低緯度フィルム撮影)
・オーロラ撮影(フィルム写真,デジタルカメラ,赤外線カメラ,高感度カメラ,スペクトル)
・研修所見学
・語学研修

 

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