心のフィルター

しばらく前、坂の上の学校に、下の駅から坂を上って通勤していました。結構きつい坂道でしたが、上るペースが考えるペースにあっていたのか、頭の中で、「自分のペース、マイペース」という詩を作りました。その詩を紹介しながら、自分のペースで学習を進めていきましょうということと、その坂道が一本道で、上る人、下る人がすれ違うとき、互いに譲り合わないと通れないので、相手の気持ちを感じる心が大切と生徒にお話させていただきました。

そんな折、HPを検索していたら、親子の「お母さん暗くなったね」、「電気くらい、自分でつけてよね」の会話で、互いに内心は「いつもそうなんだから。まったく依存的で困った子だわ」、「親はいつも私の気持ちをわかってくれない」という気持ちがすれ違う話を『NHK ハート・フォーラム 精神障害のある人の家族のためのワークショップ ?回復力を高める接し方?』で見つけました。お互い会話をする時に、決めつけ、思い込み、色めがね、自分の価値観というフィルターを通してやり取りをしているとの説明でした。

今年は幼稚部から高等部専攻科理療科まで13人のみなさんが、卒業、修了されました。その式辞として、国際学力調査(PISA)の協働型問題解決能力について、お話をさせていただきました。ただ単に正しいと思うことを主張し、相手に打ち勝つ能力より、相手の意見を聞き自分の意見を修正できるコミュニケーション能力、様々な価値観や意見をうまく共存させる能力です。多様な価値が認められる社会では、学校で身につけた知識と共に、自らの主張にこだわることなく、お互いの気持ちを受け止め、認め合い、共に支え合っていく力を身につけていくことが大切とお話をさせていただきました。

翻って自らのことを考えると、このことは私自身にとっても大きな課題であると気持ちを新たにしました。自らの偏った発信、受信、心のフィルターが要注意だと。


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