ムロツヨシ(敬称略)が好きだ

ムロツヨシ(敬称略)が好きだ。
大河ドラマで守銭奴の商人もやれば、
勇者ヨシヒコの冒険で魔法使いメレブもやり、
NHK『LIFE!』で妖怪もこなす。

日曜日の夕方は、なぜかムロツヨシが見たくなる。
なぜだろう。

この日曜日は、昨年放映の『悪党たちは千里を走る』を
TBSオンデマンドで見た。
誘拐犯に仕立て上げられた男(ムロ)が、
犯人の正体に迫っていくという
推理小説が原作の、連続ドラマだ。

第1話後半で
その後誘拐されることになる小学生男子が
自分がいかにふがいないかを
ムロツヨシに連綿と嘆く。
「両親が偉大すぎる」、
「僕には才能がない」、
「自分には何の価値もない」。
ムロ(が演ずる男)は、実はその前日、
「会社がなければお前なんて何の価値もない」
と上司に言われ、解雇されていた。
だからこそ、の、渾身のことば。
自分で価値がないなんて思うようなやつになあ、
誰かが興味持ってくれるわけ、ねえだろう!!
中年の男が、小学生に、大声で、真面目に。
(そこでインしてくる高橋優の『クラクション』という曲がまた良い。)

日曜日の夕方は、つい腰が引けている。
そんなときに普段はするりするりとおどけてみせる
ムロツヨシが、こんなふうに怒るのは、
なかなか体の芯によいような気がした。
『悪党たちは千里を走る』、機会がありましたら、ぜひ。

2017年06月22日