卒業式式辞のトリセツ

平成30年3月3日(土)に
松川高校では、卒業式を行いました。
その時、2つの贐の言葉を式辞の中で
卒業生の皆さんに贈りました。
そのトリセツを、書きます。

ひとつめ。
「心身ともに、自分を大切にしてください。」
誰かに大切に思ってもらっているのなら、
その倍以上、自分も自分を大切にしてください。
自分のことを好きになれなければ、
本当の意味で、
誰かを心から好きになったり、
誰かを大切に思うことは難しいような
気がします。
好きで生まれたわけではないとか、
誰からも大切にされた覚えがないとか、
そういう思いの人もいるかもしれないけど、
自分のことが世界で特別な存在だと思えたとき、
あー、こういう自分っていいなあと思ったとき、
あー、こういう自分でもいいんだ、と思ったとき、
おそらく、そっと隣に
あなたを大切に思う人が立っているはずです。
これは、私の経験から、そう思います。

ふたつめ。
「人の気持ちを想像できないような人間は、
一番恥ずかしい。」
(小学校高学年時の担任が私に贈ったことば)
補足をすると、この言葉を言われたとき、
私は一瞬周囲のものが見えなくなるくらい
ショックを受けました。
とても尊敬していた先生でしたし、
いつも生徒をほめて育てる人だったからです。
その日からしばらくの間、元気が出ず、
先生の顔をまともに見れなかったと思います。
しかし、今になると、
そこまでのショックな言葉を言われてよかった。
おそらく、当時いい気になっていた私は、
それ以降、自分の言葉や他人の言葉の意味を
少しゆっくり考えるようになりました。
本当はどう思って
その言葉を言っているのかと
思うようになりました。
元気だよと笑っている人も、
本当は元気じゃないことを知ってほしいと
思っていることとか。
本当は元気じゃないことに気づいても
気づかないふりをしていてほしいと
思っていることとか。
まだまだ難しいですが。
そうやって誰かが自分の気持ちを
推し量ってくれたんだと思うと、
割と元気が出るし、
少なくとも、余計な傷は
つかなくなります。
何も考えずに出した一言が、
誰かを傷つけることがあります。
感性のアンテナを高くして
もしそうだとわかったら謝る勇気を持ちましょう。

 以上、式辞のトリセツでした。

(今回は字体を明朝にしてみました。)

2018年3月3日