学校長挨拶 of 中野西高校ホームページ

2013年1月11日

  一人になって考えることの大切さ       (24年2学期終業式講話)
                                              中澤
 
ここ何年もずっと気になっていることなのですが、時・場所・場合をわきまえず、しょっちゅうケイタイでメールや電話あるいはゲームなどのSNSの利用をしている人が多いようです。これらを総称して「ケイタイ依存症」と言った人がいました。この現象は、高校生だけでなく大学生あるいは社会人の中にもあるようです。
 これらの現象を、ある心理学者が次のように分析していたのを読んだことがあります。
 「彼らは絶えず友達と『私たち、仲良し』『私たち、同じ』であることを確認しあっていないと落ち着かない。そこには、一人になること、孤独であることへの強い不安と恐怖がある。仲間からはずれること、一人になることを極端に恐れ、絶えず誰かと一緒にいないと落ち着かない。絶えず誰かとくっつくことにより、安心感を獲得し、そうでない誰かをことさら排除しようとする。そんな、以前から存在した「いびつ」な日本的同調圧力の問題が、ここ数年さらに強まっている。」
 今述べました「ケイタイ依存症」とは別に、最近の都会の大学でよくある光景というのが「便所飯」という現象なのだそうです。お昼の昼食時に一人でいることを人に見られるのを嫌って、トイレで昼食を食べること、をこう言うのだそうです。ここにも極度に一人でいることを恐れる心理が働いているのでしょうか。

かつて、二十世紀を代表するフランスのチェリスト、ポール・トゥルトゥーリエは、「現代人が失ってしまった三つの『S』という話の中で、Space, Silenceそして、”Solitude”(孤独)を挙げていたことを思い出します。彼は、人々が失ってしまったこれらの3つのSを取り戻そうと活動をしたのだそうです。
人間は社会的存在として、周りの人々との関係や絆によって生かされている存在であることは間違いないのですが、私がこの問題で強調したい点は、特に皆さんのような思春期・青年期の真只中にいる人々にとっては、日々の生活の中で一定の時間、心の成長に不可欠な「自己との対話」が十分になされているかということです。子どもや青年期の人間にとって、生活の中に、一人になってじっくり考える時間が、自己を見つめ成長させる重要なものである、と思います。一人になって「自分」と対話する時間を持たず、絶えず外界からの刺激に身をさらしてばかりいると、刺激におぼれて、想像力や創造性の発達が妨げられてしまう、のではないかと思うのです。
さらに、絶えず使っているケイタイやメールが「コミュニケーション」だと錯覚している人も多いように思います。一概には言えませんが多くの場合、これらの「コミュニケーション」の中身は、集会や式典の最中の個人的なおしゃべりと同じく、あまり内容のあるものとは言えない場合が多いように思えます。「孤独」という現実を恐れ、ただ他人と繋がっているように錯覚している「仮想現実の世界」を求めているようにさえ見えます。いや、これはただ単に「公」「私」の区別がないだけかもしれませんが。
皆さんは、相手にメールを送ってすぐに返事が来ないことに腹を立て、「無視された」と独りよがりに相手を責めたりすることはありませんか。このような「一人じゃいられない症候群」にかかっている人たち。一日の中でケイタイや周りの雑音から解放されて、一人になって読書や自己を振り返る時間をしっかりとることを考えてみてはどうでしょうか。思い切って「スイッチ」を切って自分を見つめなおす時間を取ってみてはどうでしょうか。

最後に、大正時代に書かれた倉田百三の「出家とその弟子」という戯曲の中の、親鸞とその弟子の唯円の会話を引用して本日の話を終えたいと思います。この場面では、「孤独」について、弟子の唯円と師匠の親鸞が次のように会話をします。

唯円「お師匠様。私はこのごろなんだか寂しい気がしてならないのです。時々ぼんやりいたします。今日もここに立って通る人を見ていたら、ひとりでに涙が出てきました。」
 《略》
親鸞「寂しいのが本当だよ。寂しい時には寂しがるより仕方はないのだ。」
唯円「今に寂しくなくなりましょうか。」
親鸞「どうだかね。もっと寂しくなるかもしれない。今はぼんやり寂しいのが、後には飢えるように寂しくなるかもしれない。」
唯円「あなたは寂しくありませんか。」
親鸞「私も寂しいのだよ。私は一生涯寂しいのだろうと思っている。」
 《略》このあと寂しさの質の違いについて親鸞の話が続きます。
唯円「では私はどうすればいいのでしょうか。」
親鸞「寂しい時は寂しがるがいい。運命がお前を育てているのだよ。ただ何事も一筋の心でまじめにやれ。ひねくれたり、ごまかしたり、自分を欺いたりしないで、自分の心の願いに忠実に従え。それだけ心得ていればよいのだ。何が自分の心の本当の願いかということも、すぐにはわかるものではない。さまざまな迷いを自分で作り出すからな。しかしまじめでさえあれば、それを見出す知恵が次第に磨き出されるものだ。」

 年末年始休業に入ります。家族だんらんの中で家族や親せきと、絆を確かめる機会としてください。また一方、一人になってじっくりと自己を見つめるのに、よい機会でもあります。この一年を振り返り、来たるべき新年を新たな目標を持って迎えたいものです。




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過去の「こんにちは校長です」

2012年12月4日

こんにちは、中澤です。
「目標達成のための心構え」最終回です。⑤、⑥の格言について書いてみたいと思います。

⑤ In the long run, we shape our lives, and we shape ourselves.
The process never ends until we die.
And the choices we make are ultimately our own responsibility.
⑥ Happiness is not a goal; it is a by-product.
(Eleanor Roosevelt)

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私たちが生活している毎日の「日常」は、その瞬間における、選択の連続と言って良いでしょう。今日、何をするか。今、何をするか、選択(決断)をする。(Your Choice) そしてそれが行動や態度となって現れる。毎日、毎日はこの繰り返しです。

この意味で、自分の人生は、毎日自分が形作っていることになります。(In the long run, we shape our lives, and we shape ourselves.) この選択するという行為は、私たち一人ひとりの責任において為されています。選択と行動の責任は一人ひとりの中にあるのです。(And the choices we make are ultimately our own responsibility.)

毎日の生活の中の態度や行動の積み重ねが、「習慣」や「経験」となってその人に残ります。

チャーチルからの引用文③は、「成功が最終目的ではない。失敗が致命的なのではない。大切なのは継続させる勇気だ。」でした。その際、私は「行動や態度を継続させることによって習慣化するのだ。」と書きました。そして、習慣化された「日常」の連続、経験の積み重ね、が自分の人生となっていくのだということです。

私は、自分の毎日の決断と選択は「態度」となって表れるものだと思います。態度にその人のこころが表れます。皆さんは、まず素直であること。謙虚であること。これを忘れないでください。「やろう」と思った時が、あなたが選択する時です。二つに分かれた道の岐路に立ったとき、私たちは常に選択をしなければいけません。

私たちは、まず、夢や目標を持とうではありませんか。私は世の中のために、そして自分のために、何をしたいのか、できるのか、考えてみて欲しいのです。そしてその次に、そのために今何をするべきか積極的に選択する、ということです。今日何をするか。いま何をするか選択をすることです。そして、日々の選択によって積み重ねられた行動や態度が自分の経験や習慣となる。その経験の集積が私たちの人生そのものとなっていくのです。

私たちは、ただ単に良い結果や成功、幸福を目標とするのではなく、それらは努力の結果としての「副産物」(by-product) と考えて、1日1日の時間を大切にしていきたいものです。



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2012年10月11日

                             10月 2012年
 こんにちは、中澤です。

 引続き「目標達成のための心構え」について、④の格言について書いてみたいと思います。
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④ When it is obvious that the goals cannot be reached,
don't adjust the goals, adjust the action steps.  (Confucius)

 前回、ウィンストン・チャーチルの言葉を引用しました。今回の孔子のこの文はその続きと考えてください。論語の中に「過ちてはすなわち改むるに憚(はばか)ることなかれ」という有名な言葉があります。まずは何でも挑戦してみること。失敗したらやり直せばいい。うまくいったら、その理由を振り返り、失敗したらやり方を修正して再度挑戦する。この繰り返しです。

 チャーチルの引用文は、「成功が最終目的ではない。失敗が致命的なのではない。大切なのは継続させる勇気だ。」でした。今回の孔子の本文を直訳すると「目標が達成できないことが明らかになった時、目標を変えてはいけない。達成までの段取り、やり方を変えよ。」となります。

 ものの本によりますと、孔子は「結果よりもそこへ至る過程を大切にして日々を過ごしなさい。」と説いています。また一方、「目的のために手段を選ばない」ことを孔子は諌めていました。卑怯な振る舞いは許さないという姿勢です。そして、「結果は努力の過程の後からついてくる。」とも言っています。「今」自分がしていることが、結果的に「未来」へとつながっていくのだという、孔子の積極的な教えや願望に、私たちは学ぶべきではないでしょうか。

 今年の秋、大変嬉しいニュースが飛び込んできました。京都大学教授の山中伸弥氏が、iPS細胞の発明の業績によりノーベル医学生理学賞を受賞するというニュースです。一連の報道記事を読んでみますと、山中さんの、まさに長い努力の中で失敗と困難を乗り越えて勝ち取った受賞、という偉大な業績に日本中が深い感銘を受けたのです。

 前回も書きましたが、「石の上にも3年」とか「桃栗3年、柿8年」というように、じっと我慢して継続させることの大切さを、今回のノーベル賞受賞は改めて私たちに教えてくれたような気がします。過ちを怖がって次の一歩を踏み出さないと、成功への確信も失敗の原因探求も得ることができない。本当のスタートは失敗から始まる、ということでしょうか。「失敗は成功の母」とも言います。孔子のこの文は、失敗したり遠回りをすることに我慢して耐え、目標に向かって努力し続けることの大切さを私たちに教えているのです。




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2012年9月7日

                           9月 2012年
 こんにちは、中澤です。
引続き「目標達成のための心構え」について、③の格言に関して少々書いてみたいと思います。
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③ Success is not final, failure is not fatal:
it is the courage to continue that counts.
(Winston Churchill)

イギリスの首相、ウィンストン・チャーチルの言葉です。
「継続は力なり」とよく言われます。引用した原文の大意は、「成功が最終目的ではない。失敗が致命的なのではない。大切なのは継続させる勇気だ。」ということでしょうか。
“counts” は「大切である」という意味の自動詞(Vi)です。

「石の上にも3年」とか「桃栗3年、柿8年」とか、じっと我慢して継続させることの大切さはいろいろな機会に言われていて、誰もが分かっていることです。しかし、これが難しい。自分が好きなことを毎日続けることは簡単でしょうが、目標達成のために「嫌なことでも我慢して」継続することは、易しいことではありません。

私たちは、何か目標を定めると、その達成や結果をすぐに求めがちです。失敗をしたり、遠回りをすることを我慢して耐え、目標に向かって努力し続けることが軽視されがちな時代環境でもあります。あこがれや、夢があっても本気で継続することができない。失敗を恐れて「はじめの一歩」を踏み出すことができない。自信がなく、本当に自分が目指すことなのかいつも迷っている。こういう場合が多いのではないでしょうか。

挑戦しないでいて後悔するよりも、まずは挑戦してみることです。失敗を恐れずに第一歩を踏み出すことです。決心したら気持ちが行動に表れます。毎日の姿勢や態度に表れるのです。毎日の態度や姿勢を続ける勇気があれば自分の習慣となります。習慣化してしまえばもうこちらのものです。

徳川家康の遺訓の中に有名なこんな言葉があります。
一、 人の一生は重きを負ふて遠き道をゆくが如し、急ぐべからず
一、 堪忍は無事長久の基、怒りは敵と思え

目標達成に向けて、我慢して継続させる勇気を持とうではありませんか。繰り返しになりますが、学びを「習慣化」してしまえば、継続できるのです。まさに「継続は力なり」です。




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2012年7月24日

24年度 1学期 終業式講話
                            7月 2012年
                                 中澤
「自分を探す暇があったら自分を磨く」

 髙橋書店という出版社が募集した名言集というのがあります。その2010年度の入賞作品に標記の「自分を探す暇があったら自分を磨く」というのがありました。私が常々感じていたことを的確に言い表している言葉でしたので今でも印象に残っています。今日はこの言葉と関連して、いわゆる「キャリア教育」のありかた、進路選択のありかたについて皆さんに考えていただきたいと思います。

 この作品を作ったのは齋藤千恵子さんという図書館司書の方だそうですが、こんなふうに言っています。「近ごろ、自分探しの旅に出る人が多いけれど、自分は探すまでもなく、ここにいるんじゃないかな。どこに行っても結局自分が移動しているわけだから、何にも変わらないんじゃないかな。だったらその時間を使って、自分を磨く努力をしたほうがいいんじゃないかな。」と言っています。

 今皆さんは、特に3年生は目標に向かって猛勉強をしているところだと思いますが、中には「自分がやりたいことがわからない。」「自分にあった仕事が何なのかわからない。」ということを理由にして、勉強する気が起こらないと、言い訳をする人もいると思います。

 皆さんは養老孟司という解剖学者を知っていますか。現在は解剖学の分野から引退し、昆虫学者としての名声が大きいかもしれません。昆虫が好きだというのは、医学部を卒業して漫画家として大成した手塚治虫とどこか共通点があるような感じがします。私は養老さんが20年ほど前に、東大医学部教授であった頃、子供向けに書いた「解剖学教室へようこそ」という本を読んで以来、彼の大ファンなのですが、2000年代に入ってから「バカの壁」等、「壁」シリーズでベストセラーの著者となりましたので、皆さんの中にも、彼のことを知っている人も多いと思います。

 さて、養老氏の著書「超バカの壁」から引用します。(p18~)
 「ニートやフリーターの人々が増えているというが、それで調査をすると、働かないのは「自分にあった仕事を探しているから」という理由を挙げる人が一番多いという。これがおかしい。二十歳やそこらで自分なんか分かるはずがありません。」
 「仕事というのは社会に空いた穴です。自分に合った穴が空いているはずだなんて、ふざけたことを考えるんじゃない、と言いたくなります。仕事は自分にあっていなくて当たり前です。」と述べ、氏がなぜ解剖学の道へ進んだのかを書いています。
 「穴」というのは養老さんの独特な言い回しですが、社会が必要としている仕事のことです。その仕事をしなければ世の中が困ってしまう仕事、必ず誰かがやらなければいけない仕事のことです。医学部の解剖学の仕事は、医学の発展と医師の育成のためには、まさに必ず誰かがやらなければいけない仕事なのです。

 さて本題です。現在日本では中学、高等学校などの学校現場でキャリア教育が重要な柱となっています。特に本校は文科省の研究指定校として多くの実践をしているところです。キャリア教育をとおして社会との関係性を学ぶ中でいろいろな職業を知ることは非常に大切なことです。しかし、ここで皆さんに心に留めておいて欲しいことは、「自分には何が向いているのか」という視点ではなくて、つまり自分中心に考えるのではなくて、社会ではどんな仕事が必要とされていて、自分はその仕事をとおしてどのように、「社会に貢献できるのか」という視点を常に持っていて欲しいと言うことです。
 養老氏が述べているように、目の前の路上に穴が空いている。その穴を埋めないと多くの人が困ってしまう。自分が埋めれば、助かる人がいる。これこそが自分にとっての「天職」といえるものかもしれません。

 「自分にあった仕事」とか「自分探し」というようなことを言う人は、西洋近代哲学的な「私」の概念を取り入れているのでしょう。養老氏曰く、「自分とは何か」ということで悩む必要はない。仏教では「無我」の境地、必要性を説いてきました。自分がどうだなどと無駄なことを考える暇があったら、自分を鍛えろ、ということです。

 さて、本日のテーマ「自分を磨く」とはどういうことでしょうか。学生の本分である学習を積み重ねることです。苦手な科目も逃げることなく、高校生としての「教養」を身につけることです。

 数学も英語の文法も、理科も社会もそして何より母国語としての教養の基礎となる国語も、皆さんの力はまだまだ不十分と言わねばなりません。毎日の学習の継続がまさに「自分を磨く」ことに他ならないのです。

 3年生の諸君、今諸君が勉強をしているのは半年後の入試に合格するというような、目先の目標だけではないのです。生涯にわたって学び続ける方法や姿勢を学ぶ、ということ、日々の学びを継続し習慣化させるということ、このことを実践していると考えて欲しいのです。

 1,2年生の諸君、部活で勉強する時間がないなどと言い訳はしないでください。部活は自分が好きでやっていることです。勉強しないことを部活のせいにはしないで欲しいと思います。もともと学習が好きな人なんてそうそうはいないでしょう。好きではないけれどやらねばならないことをやる。だからこそ自分を鍛えることができるのです。自分を磨くことができるのです。

 「自分を探す暇があったら自分を磨く」暑い夏に打ち克つこと、そして弱気な自分に打ち克つこと、これを諸君に期待しています。

最後に夏休みの推薦図書を諸君に紹介します。斉藤孝著「なぜ日本人は学ばなくなったのか」(講談社現代新書)この本はお隣、新潟県の高田高等学校(有数の進学校、キャリア教育実践校として有名です)で全員が読むべき課題図書に指定されています。本校の図書館にも1冊あります。私が先ほど述べたことと重複する内容が含まれています。ぜひ夏休みに読んでいただきたい本です。

2012年6月21日

こんにちは、中澤です。
前回に引続き「目標達成のための心構え」について、②の格言に関して書いてみたいと思います。


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② Motivation is what gets you started.
Habit is what keeps you going. (Jim John)

引用した原文を直訳すると、「動機があなたをスタートさせる。習慣があなたを続けさせる。」とでもなるのでしょうか。

近頃の若者についてよく言われることが、「学びへのあこがれがない」とか「学びや仕事に対して意欲に欠ける」などというものですが、はたして本当にそうなのでしょうか。

 昨年の3月11日の東日本大震災をきっかけに、多くの若者(高校生を含む)達が、この深刻な危機に自分も何かの役に立ちたい、困っている人々を助けたい、との気持ちにかられたことは、前述のような「やる気に欠ける」若者たちばかりではないのだという希望をいだかせるのに十分ではなかったでしょうか。救助活動に奔走する消防隊員や自衛隊員、けが人の治療にあたる医療関係者、原発事故収束のため命を賭けて最前線で奮闘する人々の姿を見て、心を奮い立たせた若者も多いと確信しています。

 学びへの動機はただ単に「未来への希望」だけでなく、「現状に対する危機意識」であるかもしれません。むやみに危機意識を扇動するつもりはありませんが、未だにのんびりと「平和な」現状を享受している若者達には「このままだと、日本は危ないぞ」との危機意識を持って欲しいのです。

 大震災そして原発事故を契機として、新しいエネルギー開発、環境保持、放射線に関する研究や医学研究の推進、保険制度や国際法の整備、そして何より急速に進む超高齢化社会など、次世代を担う人々が取り組むべき課題が次々と出てきています。「必要は発明の母」と言われます。例えばエネルギー問題で苦しんでいる今の日本が、新しい世界のエネルギー開発の先駆となるチャンスを与えられているとも考えられます。

 困難が山積する今だからこそ、「学びへの動機」はいたるところに存在するのです。課題を把握し目標を定めたら、あとは学びの行動を起こすだけ、その後は三日坊主にならぬこと、ここが肝心です。学びを「習慣化」してしまえば、継続できるのです。まさに「継続は力なり」です。





2012年5月18日

こんにちは、中澤です。

本文は主に本校の生徒諸君へのメッセージとしてお読みいただければ幸いです。



LinkIcon別紙の「目標達成のための心構え」というリーフレット別紙の「目標達成のための心構え」というリーフレットを読んでみて下さい。

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生徒諸君が、常に目標に向かって頑張る高校生であって欲しいという願いを込めて、過去の偉人の名言を引用しながら、何回かに分けて解説を加えながら私の意図をお伝えしたいと思います。




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① You must do the thing you think you cannot do. (Eleanor Roosevelt)

 しばらく前のテレビコマーシャルで(車のミニバンのCMでしたが)「できっこないを やるっきゃない」という、キャッチコピーがありました。


 引用した原文はまさにこのとおりです。何事でも初めに目標を立てるものですが、目標の設定というのは、実は結構難しいものです。まず、自分自身をよく知っていないと適切な目標は立てられないでしょうし、そもそもその出発点で立ち止まってしまう人が多いように思います。


 まず、大きな目標を設定します。「大きくて遥かな夢」のようなものでしょうか。この時考えるべきなのがこの引用です。「自分ではできそうにないと思っていることをやらねばならない。」将来、自分が社会に出て、どのようにして社会に貢献できるのか考えて欲しいと思います。


 簡単にできそうな目標では、仮にそれができても達成感はありません。遥かな目標は大きいほうがいい。ただし自己を振り返りながら荒唐無稽な目標でないことが望ましい。


 さて、現在の日本国内、世界情勢を見てみてください。国内では大震災による原発の放射能処理の問題、国外では欧州の財政危機や、各地の国際紛争、経済危機の危惧など難題が山積しています。できそうにないからやらない、というわけにはいかないことばかりです。皆さんには現在の難問を直視し大きな目標を持ってもらいたい。困難の先には、それを乗り越えた後に必ず進歩があるのです。


 大きな目標設定の次にしなければならないのが、より具体的目標設定です。この場合、目標は局面に合わせて修正を加えなければいけないことがあるでしょう。毎日の、毎月の、目標設定と達成のための実践とその手段の振り返りが大切なことは言うまでもありません。


 まずは、皆さんは大きな目標を持っていますか?それに向けて努力していますか。「そんなことできっこない」と思っていませんか。「夢は実現するためにある」と誰かが言っていました。今の私たちの時代は、できそうにないことを成し遂げねばならないチャレンジの時代でもあります。

2012年4月26日


みなさんはじめまして、中野西高校の中澤です。本年4月からお世話になっています。

中野西高校は昭和58年、地域の皆様の大きな期待を担って誕生し、来年創立30周年を迎えます。創立以来、本校は地域の期待を担う進学校としての歩みを着実に刻んできました。入学する生徒の多くが大学等の上級学校への進学を目指しています。生徒たちは将来の夢の実現のために日々努力を続けています。一人ひとりが自分の未来を切り拓くため、日々自己の課題に真正面から向き合い真剣に学習に取り組んでいます。何よりも毎日の授業を大切にし、先生と生徒が中身の濃い授業を一緒に創り上げるため、切磋琢磨しています。

 本校の校歌「イヌワシの歌」の歌詞にあるように「夢は遥か誇りは高く」の志を高く掲げ、生徒教師が一丸となって、活気のある学校づくりに邁進しています。
また、学習活動はもとより、本校創立以来続いているクリーンオリエンテーリングでは地域へ生徒全員が出て行き美しい街づくりのため汗を流しています。生徒会活動、部活動でも自主と自律を大切にしながら、楽しく活気のある学校づくりのため、生徒、教師が心をあわせて頑張っています。

 本校は校訓「創造」「探求」「友愛」を高く掲げ、地域に親しまれる学校づくりに努めています。生徒一人ひとりの願いを大切にし、力を伸ばす学校、それが中野西高等学校です。

2012年3月12日

こんにちは 中野西高校の本多です

 卒業式が無事終了し、全員が校門をあとにしました。制服がない本校ですが、卒業式にはスーツで主席することが、制服を廃止した時からの約束なのです。誇ってよいことだと考えています。
 PTA会報にこんな文章を掲載しました。前置き部分はカットしました。

ある年学習合宿で、代表生徒が『今日のお昼はみんなの好きなカレーです。これを食べてこれから返ってくるテストがたとえよくない点数でも元気を出しましょう』と挨拶をしたことがありましたが、生徒ながら素敵な挨拶だと感心し、だれからも愛されるカレーを再認識しました。
 振り返ると、自分が中学1年の技術家庭科で実習したカレーライスは、本格的でした。市販のカレールーなど使わず、小麦粉とカレー粉をいためて作りました。
これ以降、何十回いや百回を軽くこえてこの料理を作ってきましたが、おのれの人生と異なり大失敗はまったくなく、常に一定の評価を得てきたことは、少々誇張も許してもらえるならば「人生の奇跡」と言ってもよいくらいです。
 さて、学校というところもカレーライスと似ています。カレーの場合、素材がそれぞれたまねぎはたまねぎ、にんじんはにんじん、セロリはセロリとしてその特徴を誇示していますが、切られ炒められ調味料や香辛料とともに煮られているうちに、材料の特徴がよい具合に混じりあい、どの材料も持っていんなかった新しい味を発揮していくところが感動的です。手間と時間が必要とされますが、素材が似ている野菜いためや肉じゃがとは比較にならない複雑な味わいになるところが魅力です。
 西校に入学した時は、仲間作りに自信がなかったり、部活を続ける自信がなかったり、と内心に不安を抱えていた生徒たちが高校生活で次第に自信をつけ、成長していく姿を見るとうれしく思います。挨拶する声が少しずつ大きくなったり自分から声掛けができるようになってきます。1年女子がソフトボールのルールも知らず、バットの持ち方もまったく様にならないところから、なんとか紅白試合ができる状態になってくると拍手したい気持ちになります。数学はできないと公言していた生徒が問題に取り組む姿をみると「おおっ」と感動させられます。一行も文章が書けなかった生徒がそれなりに文章が書けるようになっていくことはすばらしいの一言です。書道の合同作品制作もグループの仲間の字配り等を意識しながら一枚の作品を仕上げます。また、合唱祭での3年生の心をひとつにした歌声に感激しない人はいないでしょう。1年の時のまとまりのなさや困惑が嘘のようです。
 家庭教師との一対一の指導、あるいは塾の指導でも、同じようなことはできるでしょうし、ことによったら効率はそちらの方がよいことも少なくないかもしれません。
 しかし、学校という空間を共有し、できる仲間のすばらしさやできない仲間のがんばりを身近にし、尊敬したり嫉妬したり、協力や反発を繰り返し、特徴や特性を異にする仲間の存在を意識的無意識的に見たり感じたりしながら学校生活を送る中、ある相乗効果が生まれ、生徒一人ひとりが成長すると同時に集団全体がレベルアップしていきます。できる者だけを選抜して切磋琢磨を求めレベルアップを図ることも大切でしょう。その一方で、得意なもの不得意なものが同一でなく、それぞれが個性を持ち、相性も合っているとは言いがたい、そんな集団が毎日顔を合わせ、活動を行ううちによい関係が作られ、力のある集団に変貌するのを見るにつけ、学校集団の可能性を確認することです。
 カレー作りの過程においても、「しまった、○○○がたりない」という場面はありましたが、最終的にはなんとかなっていきました。本場のカレーとは似ていないカレーになっていますが、それが何だというのでしょう。食する者に満足と安らぎを与え続ける料理としてこれにしのぐものはないでしょう。
 卒業する26期生のみなさん、卒業おめでとう。西校での頑張りや後悔をこれからの人生に活かし、励んでください。




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2012年2月10日

こんにちは、中野西高校の本多です。

 1月は平成18年を思い出させる降雪と寒波に終わるという北信州の冬にふさわしい気候で、今年ほど「節分」と「立春」が待たれたことはなく、毎年「暦の上では」とニュース等で聞く言葉をつい聞き流していましたが、ついに2月2日の初午には、夕刻、中野市中心にある陣屋稲荷と天満宮に参りしました。参拝者は他になく足もとが凍って北風は寒かったのですが、帰宅途中の中学生が天満宮に参拝するのを地元当番役員の方が優しく声をかけているのを見て春らしい温かい心持ちになり、中野市はいいところだと思いました。

 「中野西高校『美術部』『書道班』作品展」が、中野陣屋・県庁記念館で開催されています。美術は小池教諭が書道は青木教諭が、指導しており、部活指導も授業もそれぞれ内容を工夫して成果を挙げています。現代の高校生にとって自己表現は得意とはいえない部分があるのですが、両教諭は、日頃から芸術科目の分野で多面的な表現指導されていて授業見学の際には発見したり感動をします。
また、美術部には、来年富山県で開催される全国高等学校総合文化祭に出品が決定した生徒もいます。これは本当にすばらしく名誉なことです。
どのくらいかといいますと、昨年3月11日より大変な状況をかかえている福島県の佐藤知事は、本年の仕事始めの訓示で、23年夏、福島県で会場変更をはじめとする数々の困難を克服して開催された『第35回全国高等学校総合文化祭・ふくしま総文』について触れ、高校生が県民に元気と感動を与えたことを詳しく話されておられるのです。高校の文化部顧問にとっては、部門にもよりますが、野球の甲子園出場を勝ち取る以上に難しいので、全国に行くことは天に昇るくらいうれしいことであるのです。
それはともかく、中野市の応援により立派な会場に力作が展示されていますのでご覧下さい。

前回、沖縄修学旅行のことを書きました。大きな行事を成功させた本校2年生は、平穏かつ順調なる毎日を過ごしていますが、1月末、福岡県立修猷館(しゅうゆうかん)高校の館長(校長)先生の今年度の修学旅行についてのインタビューをたまたま耳にし、驚いて早速HPを拝見しました。「東北研修旅行報告」とのタイトルで、なぜこれまでの内容を変えて津波被害や原発で大変な東北地方に2年研修旅行を実施したのか、どうであったのか、といったことについて、学校・保護者・生徒・卒業生・一般人による報告や感想が掲載されていました。このたびの修猷館高校の指導に対していろいろな感想考えはあるでしょうが、高校が生徒にどのような力をつけさせるのか、という点において、高校教員のひとりとして感心し考えさせられました。皆様はどのような感想考えをお持ちになるでしょうか。一名でも多くの方々に、HPをご覧いただければと思っています。

 春の選抜大会に出場が決まった野球部の話題が新聞等で報道される時期です。
 西校は、12月末まで放課後の部活で使えたスペースが寒さと雪で使えず、また体育館や部室の屋根から締まった雪が滑り落ち小山が出来ています。放課後中野市の体育館を練習場所にしていた部も冬季の耐震工事により、やむなく校内の部屋で体力作りに励む毎日です。日差しはすっかり春なのですが、今少し辛抱の日が続きそうです。

 3年生は、特編授業が1月で終わり、受験にまい進している日々です。よい知らせを手に入れることができるとよいのですが、、、、。いつでもどんなことにもプラス思考で向き合ってほしいものです。本校の理想は、『高く飛び・高く舞い』『群れず・諂らわず・逃げず・振り向かない』イヌワシなのです。丸山健二と久石譲による校歌を歌ってきたのですから。

2012年1月17日

こんにちは、中野西高校の本多です。

 中野市街地は穏やかな元旦を迎えました。2日からは大伴家持の歌『年の初めの初春の今日降る雪のいや重け吉事』のように雪が降り始め、仕事始めの4日からしっかり雪が降り積もり、5日は事務職員が校地内の雪かきに追われました。真冬並みの寒波の中6日より三学期がスタートしました。始業式には、年末年始で一番感動した、年賀状配達のアルバイト高校生のさわやかな挨拶のことも話しました。

 中野市には『北信ローカル』という週1回発行される新聞がありまして、本校生徒の活動記事が時々掲載されます。元旦号には、昨年11月女川町のボランティア活動に参加した3年生2名の報告文が、『被災地へー中野西高生がボランティア』の見出しで写真とともに大きく取り上げられました。

 14日・15日は大学入試センター試験。13日は受験生の激励会が短時間持たれ、檄をとばしました。クラス担任からは、受験の体験や試験に関する話、3年後半の頑張りのこと、緊張を和らげるコツや言葉などが語られました。受験一本に決めた生徒の中には、AOや推薦で進路決定していく仲間を見ると多少なりとも、自分の勉強への集中ができないこともあったと思われますが、先生方のそれぞれの思いを受け止め、ベストを尽くしてくれることを確信しました。多くの生徒は前日とあって早く帰宅しましたが、5時すぎまで教室に残って最後の追い込みをする生徒もいました。担任団が校歌イヌワシの歌の一節を刻んだ鉛筆を激励の形にして配布するのが慣わしなのですが、今年は『高く飛べ』という歌いだしでした。
入学以来何回も『高く飛べ 山を越えるまで』と歌ってきました。26期生も各自の山を無事越えていくでしょう。

 さて、県教育委員会には『学ぶ力・学校力専門委員会』が設置されています。第3回委員会の資料に県が実施した平成21年度高等学校学力実態調査結果のポイントに、国語のまとめとして以下の項がありました。

○ 国語の「漢字の読み書き」の正答率が非常に伸びている。義務教育段階からの指導の成果と思われる。
○ 国語の表現における文章を書く問題では、前回と比べ無答率が非常に高くなっている。この傾向は英作文にも見られ、大きな課題である。

 28期生となる1年生は、入学時より国語担当が中心となり、担任全員でHRや土曜講座を使ってある会社のテキストに準拠した、表現すること文章を書くことの指導に取り組んでいます。小論文トレーニングという模擬テストも2回行いました。文章力の優れた生徒もいてうれしいのですが、1回目のテストでは何をどう書いてよいか考えあぐね、白紙提出した者が二桁数いましたが、2回目には全体で5名と大きく減少しました。クラスによっては、評価項目の表現力が10点満点中5点から8点と揃った評価で心強いことです。担任団と関係者の日頃の指導の成果であると思います。現状に満足することなく、引続き表現する力育成に取り組んでいきます。

 また、3年国語表現では、授業が書いた文章を新聞に投書しています。信濃毎日新聞に3名が採用され、掲載されました。

 学力を培う方法は様々です。各教員は日々このために様々な努力と工夫を続けていますが、一個人一教科だけの指導には限界もあり、学校全体で必要とあれば教科の枠を取り払って行わなければなりません。今年度も反省職員会が目の前に予定されている時期となってまいりました。よい次年度を迎えなくてはなりません。

2011年12月8日

こんにちは、中野西高校の本多です。

 師走に入りました。中野市はバラ公園の冬囲いが終わり、農作物が収穫され、除雪車の点検が実施されました。いつ雪が降っても大丈夫というところです。北信五岳の山々や志賀高原、遠く北アルプスも11月末より冠雪し、「今年はカマキリの巣が高いから、大雪だな」というやりとりも聞かれます。学校では、来年度への準備が始まりました。

 さて、2年生が、11月28日より12月1日まで3泊4日の沖縄修学旅行を実施しました。今年度は、担当がツィッターにて、集合からまめに状況報告を行ってくれましたので、旅行隊のことがよくわかりました。行程表のとおり、つつがなく行動し、事故や病気もなく無事旅行を終了しました。旅行のまとめはこれからですが、事前学習のための週刊『そうだったのか沖縄』で学び、夏休みの課題学習・学リンピック等、学年全体で学んだことが、今回の旅行に成果となって現れたことはいうまでもありません。一人ひとりが大きな収穫を得ました。嘉数高台で見たこと感じたこと、平和講演会で聞いたこと思ったこと、ガマや平和記念資料館・ひめゆり平和祈念館で体験見学したこと考えたこと、が生徒の今後の人生に何かを与えていくことでしょう。『そうだったのか沖縄』から「こうなのだ、沖縄」に変わっていくのです。また、担任団の期待を越えた行動が各所に見られたようで、2年生を誇りに思います。旅行報告の一部を、今月の保護者懇談会期間中に実施する西高伝統の『文化展』で発表しますので是非ご覧下さい。

 12月2日は、1学年がキャリア教育の行事として本校初めての試み進路研修旅行を行いました。学校1+企業1の組み合わせで用意した9コースに分かれ、15名から38名で学校を離れて1日学習しました。挨拶を始めマナー全般の指導も行い、近いコースは、長野市の医療技術専門学校並びに小布施町の企業、遠いコースは、上越教育大学と柏崎刈羽原子力発電所で、こちらも無事終了し、『文化展』等でその成果を発表する予定です。

 ところで、本校生徒の中には、中野市立図書館や小布施町の図書館で受験勉強・考査直前勉強をしているものもいます。昨年の秋、3年政治経済の特別授業で、小田切中野市長さんがお話する機会がありました。市政への要望として、生徒から図書館開館時間延長の件が出され、直ちに延長していただきました。また、小布施図書館は館長さんのユニークな取り組みで知られていますが、この夏『西高生がよく勉強しています』と言われた時は、正直言って少し驚きました。考査直前だけでなく、立地もあって小布施町民でない生徒も快適な図書館で勉強しているようです。『いつだったか全員西高生だったこともありましたよ』と言われ、たいそう嬉しく思いました。図書館本来の目的とは、少しずれているかもしれませんが、施設のありがたさや応援に感謝します。
 子どもが成長するためには、植物の成長に土壌・水分・日光が欠かせないように、愛情や保護をはじめとする様々な大人からの助けが必要です。高校生にとっても、地域からの様々な応援や指導が成長の力となります。時々小さな失敗もありますが、今後とも温かく厳しく見守っていただければと、お願いします。

 センター試験までの日数が減ってきました。最後まで自分を信じ努力を続けてくれることを願います。
 ご縁のあった方々もこのコーナーを読んでくださっていることをありがたく感じております。その皆様を含め、どうか穏やかな新年をお迎えくださいますようにと思うところです。

2011年10月24日

こんにちは、中野西高校の本多です。

 本校は、果樹栽培の盛んな県北地域にありますので、秋の到来は、葡萄の収穫、栗の実りでわかります。主力品種フジが次第しだいに実を太らせ色が赤みを帯びてきます。長野県が誇るりんご三兄弟「秋映」「シナノゴールド」「シナノスイート」が箱詰めされ販売されているのを見ると小学生時代林檎畑で収穫の手伝いをした自分はうれしくなります。
 9月には、大きな災害をもたらした台風がありました。進路に近かった県の南部では、農作物の被害がありました。時代が進んでも、実りを手にするまでには、時により多くの段階を踏まねばならないことを思うことです。
 10月に入っても、気温が平年を上回り、紅葉も遅れていましたが、学校正門脇のケヤキが美しく紅葉し、風に葉を散らせ、今年はどうしてこの木だけが、と職員を不思議がらせています。

 進学希望者がほとんどの本校ですが、就職試験や公務員試験から「試験シーズン」に入りました。夕方7時まで居残り学習が認められていますので、3年生の中にはそれまで残って学習に励んでいます。また、自宅以外に公立図書館などの利用者もいて、それぞれが希望進路実現にむけて頑張っています。気候不順の秋とあって、マスク姿の3年生も見受けられます。何年か前、ある経済番組で中国系企業のトップが、座右の銘として漢詩の『無限の風光、険峰にあり』との表現を紹介していましたが、すばらしい景色をわが目で見るためには、苦労して険しい山道を、時間をかけて登らなければならない。自分の不安や力不足を嘆きつつも、目標を見据えた生徒一人ひとりの頑張りを期待するところです。職員もセンター試験の出願指導や推薦入試の指導を始め、進路相談であわただしい毎日です。
 あと半年で3年生になる2年生を進路室付近で見かけることが多くなりました。それというのも3年次の科目選択の時期であるからです。学年担任団の指導で、教科学習や特別活動での「仕事レポート」作成や総合的な学習でのグループ学習、修学旅行の事前学習で、鍛えられ成長しているところが特に頼もしいです。もう少し、家庭学習時間を確保してほしいのが、願いですが。

 さて、年度中間地点の9月中旬から20分程度の授業見学をしてきました。学年やクラスの雰囲気も少しわかります。頑張っているな、と安心することばかりではありませんでした。今回は、一番最後に見学した体育の授業での感想を紹介します。全国的な調査によると長野県の高校生女子の平均運動能力は、全国平均を全ての種目において下回っているとの結果が公表されました。本校は県平均のやや上のレベルです。1年生は、個人差や中学校差、あるいはクラス差があり、指導する方も、差をカバーしながら、丁寧な指導を工夫しています。女子は、ソフトボールの授業でした。生徒の中には、用具の使用方法、ルール、基本姿勢など不十分で、ハタから見ると時にはマンガ的な光景もあるようですが、キャッチボールなど基礎練習をくりかえし、チームを作っての対抗戦まで仕上げています。次第に運動能力が増し、仲間への声がけや協力体制ができ、2年になると安心して指導できる状態になります。3年生は技量に差はありましたが、バレーボールの試合で、苦手な生徒がファインプレーをするとタッチするなどよい関係ができているのがわかり、感動しました。元気づけられました。行き詰まったら、体育の授業を見たらいいな、と思いました。

 最後に、生徒会新執行部主催の『クリーン・プロジェクト』についてお知らせします。
 昨年度から、生徒会スローガン『地域に信頼される学校つくり』の一環として通学路清掃、市内清掃、募金活動を行っています。今回も多くの部活が休みの月曜日放課後、有志生徒を募ってクリーン活動を計画しました。10月に2回、11月に2回の計4回行います。16時すぎに学校ジャージを着てゴミ袋等を持って活動します。先日壮行会の折にも校歌以外のエールも工夫して全校から拍手を送られました。

2011年9月10日

こんにちは、中野西高校の本多です。

 8月22日より、二学期が始まりました。職員生徒とも元気に顔を合わせることができました。学習に部活に就業体験にと、各人各様の活動を通して一回りの成長ができたように思いました。長い学期を乗り切ってほしいものです。

 本校は、部活動加入者が9割を越え、運動部加入者が多くいます。昭和59年開校の学校ですので、23000平米の広いグランドが自慢ですが、1・2年部員だけでも30名を越える野球部とサッカー部が練習し、女子ソフトと陸上が入ると、とても手狭です。体育館使用の部活も同様ですから、校内の空き地や学校周辺のランニング等の練習も日常となっています。今年度からは、学校から徒歩10分のところにある中野市のグランドが、本校の第二グランドとなり軟式野球が主として練習しています。環境としては本当に恵まれており、ありがたいことだと思います。

 3年生が引退し、2年生中心の新チームで臨む秋季大会が迫ってきました。見るとするとでは大違いで、新キャプテンもまだまだヒヨコ状態です。部員間の関係にも時にギクシャクがあり、描くようにはいかないです。はるか20年以上も前に、学校祭で全校発表した演劇の中に、『喧嘩もできないようじゃおしまいだよ』と年少者をたしなめる老婆役のセリフがありましたが、それを思い浮かべる時期です。大衝突・中衝突・小衝突を繰り返す中で、精神的成長がされるのでしょう。また、中里恒子の随筆『鶏の声』に、飼っている鶏が「コケッ」から始まり「コケコッコ―」と一人前に声を出すまでの経過が書かれてますが、何事も段階を踏むものです。きっとみんなでいいチームを作っていくことでしょう。

 猛暑となった今年の夏季休業中は、出勤その他に、翔舞祭の折、金800円にて購入した、フィリピン発のフェアトレード製品のジュースパック利用バッグが活躍しました。いかにも熱帯という感じの鮮やかなオレンジ色に、商品名がこれまた派手なブルーで大きく印刷してあるので、元気が出そうな気がしました。軽い上、防水効果もあるので、買い物の折にも重宝しています。7月31日のPTA主催長岡技術科学大学見学会にも持参して、ささやかなアピールをしました。保護者から『まだ手に入りますか?』との反応がありました。また、先日は、ピンク系の小型バックを昼食入れにしている生徒と廊下ですれちがい、連帯感を味わいました。授業見学の折も、色ちがいの同系バックを見つけました。「北」にいる私たちが、「南」に、いろいろな契機によって気づいていくことは大切なことです。

 本校が連携している清泉女学院短大では、夏休みを活用して、学生の東日本大震災ボランティア活動が三期にわたり実施されたとのことです。目的地岩手県大槌町で「テレビで放映される映像とまったく同じ光景」にまずショックをうけ、河川敷への種まきや保育所での活動等に参加したとのこと。地域ボランティア活動を特色としている本校生徒への報告をお願いしました。

 広報紙『イヌワシ通信8月号』に載っていますが、8月29日、2年生は11月末実施の修学旅行事前学習の成果をためす班対抗『学リンピック』を行いました。学年発行の週刊新聞『そうだったのか、沖縄』や夏休み課題を通じてどのくらい沖縄を理解したのか、歴史・自然・文化にわたる80問を班ごとに協力して答える、というもので、担任団の予想を上回る正答率の高さであったということです。

 9月2日には、生徒会の正副会長選挙も行われ、生徒会活動も2年生に任されます。三学年の中では、一番おとなしい、と言われて来た学年ですが、西高で蓄えた力を発揮してくれるはずです。


2011年8月2日

こんにちは、中野西高校の本多です。

 今年もまた、暑い夏です。市街をはずれた本校でも、駐車場のアスファルトの照り返しがきつく、一学期終業の日が待ち遠しいほど状態で、午後の夕立や北からの涼風が待たれる7月を過ごしました。
 6月の中野ばら祭りは、勉強に部活に学校祭準備にと、忙しい時期と重なりましたが、生徒会文化委員会の呼びかけにより、ささやかながら、土日にボランティアとして20名を越える生徒がお手伝いしました。会場の一本木公園等で活動し、観光課から感謝されました。最初は声が小さかったり遠慮がちであったようですが、大人のみなさんの応援により、少しずつ積極的になっていったとのことでした。学校生活では体験できないこと学べ、場を与えて下さった関係の皆様に感謝します。また、これまでの活動が買われ、中野立志館高校とともに美術部に、上信越自動車道中野料金所の柱にバラをデザインした装飾画の制作が依頼されました。それぞれの学校単位でデザインを考え、夏季休業中に作業を行います。

 昨年より準備が遅れているといわれ続けた学校祭の『翔舞祭』も直前準備中は晴天に恵まれ、生徒たちの協力体制もよく、予定通りに進行できました。生徒会が発行した地区配布の広報紙『翔舞Times!!』最終号によると、二日間の一般公開日の来校者数は1721人となりました。3年生保護者にのみ公開の音楽祭は中野市民会館で行われました。クラス対抗の合唱コンクールですが、準備に頑張った3年生は聞きごたえ十分でしたし、2年生は昨年1年生であった時とは比べ物にならないほどの進歩をみせてくれました。今年はエコアクションも文化祭のテーマのひとつでしたが、生徒たちが協力して取り組んだ結果、再利用できない焼却処分のゴミの量は、前年をはるかに下回りました。企画展示にも様々な工夫をしてくれ、例えば、3月にボランティアとしてフィリピンで活動した3年英語科の3名は、フェアトレード製品販売とビデオ上映も企画しました。HPにも特集がアップされていますのでご覧下さい。また天候不安定の時期、午後の夕立への対応も係を中心に行っていました。
7月25日の広報紙の中で実行委員長は「翔舞祭が大成功に終わったのは全校生徒だけではなく、多くのご協力をいただいた地域のみなさんのおかげでもあります。本当にありがとうございました!!これからも、中野西高等学校をよろしくお願いします」と結びました。持ち越しの課題もいくつかありますが、次期生徒会が取り組むことでしょう。

 3年生は、進路決定に向けて追い込みの時期にはいりました。2年生はいよいよ学校の中心となるため、一回りも二回りもの成長が求められます。
 一ヶ月に満たない夏季休業において、732名の生徒たちは、大きく飛躍してくれることでしょう。

 暑い夏は、運動部高校生の活躍が期待される季節です。初のブロック開催となる全国高校総合体育大会は北東北が会場です。また、文化部の全国高等学校総合文化祭は、東北・福島県が開催県です。こちらは3月11日の大震災により、会場が変更され、演劇部門はなんと香川県での開催という変則な形となりました。地区大会をくぐり抜けて活動に励んできた生徒たちには、まずは、開催されることが大きな喜びです。がんばれ東北、がんばれ福島の高校生。野球の甲子園があまりにも有名ですが、これ以外にも高校生には、暑い夏の全国大会があります。

2011年6月23日

こんにちは、中野西高校の本多です。

 6月は、中野バラまつりの月です。19日まで開催され、市観光課によりますと多くの来園者で賑わったとのことでした。長野電鉄の特急電車にポスターが貼られ、バラの苗木をお土産にした人を目にすると気持ちが盛り上がりました。西高生も、ボランティア委員会のよびかけに応じ、部活動や生徒会活動で忙しい中、20名を越える生徒が、受付や案内の活動を市内の中野立志館高校の生徒と協力してボランティア活動に休日を過ごし、感謝されました。最初は小さかった声が次第に大きくなった、という話を伺い、うれしくなりました。

 6月は、西高PTA地区懇談会の月でもあります。10会場で実施し、学校からの説明・学年別懇談会等で意見交換をしています。「勉強」「部活」が中心になりますが、毎年声が上がっていた、「学校からの通知が届かない」に対して本年度より導入を決定した、携帯一斉メールの話もしました。どこの会場でも持ち帰り課題があり、内容は、公共交通機関に関することから進路指導・服装まで様々です。

 6月は、沖縄戦の終結の月です。11月末から修学旅行で沖縄に行く予定の2年生書道選択者は『島唄』の共同制作をしました。教科担当者から背景を説明して、作業に入るのですが、グループ内でのバランスや互いの思いへの共感を高める指導もあります。個性の異なる生徒たちが、一人が二行を分担して書くのですが、完成した作品は、見ごたえがあります。

 県教育委員会が『学ぶちから・学校力専門委員会』を立ち上げ、先ごろ第一回委員会が開催されました。資料を拝見すると課題項目として確かな学力と学校力の二つが示されています。

 校のPTA行事や保護者懇談会には、生徒の進路実績や進路希望調査と並んで、家庭学習時間に関する調査結果も資料として出され、「平均家庭学習時間の少なさに問題あり」「家庭学習をおろそかにしては理解は不可能」ということが強調されます。自分の担任時代の面談のことや担当教科で話したことを思い出しながら、直接間接に保護者と担任、生徒と先生の会話を聞いています。家庭学習が大切なことは生徒にもよく分かっているのですが、学習時間の確保には複数の関門もあるようで、指導する側も頭を使い、頭を悩ませています。校長の頭も痛くなります。

 そんな折、長野県教育委員会が毎月発行している『教育指導時報』741号に荒深教育次長が書かれておられる『米粒の努力』と題した随想を読み、光が差し込みました。
異動先の校長から「ありとあらゆることがあるから覚悟して来てくれや」と言われて赴任した、それまでとは雰囲気の違う中学校で4回目となる担任を持ち、1年2学期に「『自主学習ノート』を始めよう」と提案する時、努力を米粒に例え、コップに入れた米粒を生徒たちに見せながら行ったこと、朱書きの激励を欠かさず行ったこと、そして、うれしいその結果も書かれています。

 本校は、4項の重点目標の第一に「学習習慣の定着を図るとともに、授業内容の充実を目指す」を掲げています。家庭学習時間の確保に、互いの工夫や他校実践も学びながら辛抱強く努力しなくてはなりません。

 さて、7月8日から10日は生徒会文化祭『翔舞祭』が予定されています。一般公開は9・10日ですが、クラス対抗合唱コンクールが行われる8日の音楽祭は3年保護者のみ公開となります。生徒の90%が部活動に加入している学校ですが、行事にも意欲的に参加します。
ご来校をお待ちしています。

2011年5月16日

こんにちは 中野西高校の本多です。

 4月は、例年のとおり瞬く間に過ぎました。新入生も学習オリエンテーション後、順調に高校生としての活動に入り、5月2日には、初めての学校行事となる伝統のクリーンオリエンテーリングにブルーのジャージ姿で汗を流しました。運動部加入者は、高校総体北信地区大会に参加応援する、という経験をします。231名の1年生が、少しずつ高校生らしくなってきました。これから、定期考査や課題提出、クラスマッチや翔舞祭を経ながら、さらに成長していくことが楽しみです。

 大震災から60日以上が経ちましたが、新聞をはじめ、ラジオ・テレビのニュースや特別番組では、東日本大震災関連のことが、連日取り上げられています。現地での救援活動やその難しさ、児童生徒のがんばり、日本経済への打撃、ボランティア活動など、本県在住の高校生にとって、考える材料が次々に提供されています。学校での行事や集会の場では、必ず震災関係のことを挨拶等に組み込むことが普通になっています。

また、平穏な日常の中で、それまでは見えていなかった多くのことをまるでつきつけられるように知らされる状況となりました。中でも、福島県での原子力発電所の深刻な被害は、現代社会が、電気というものに支えられて文明を謳歌し、その生産現場である原子力発電所は、自然の活動を前にして、人間の英知とやらのレベルをはるかに超えて、甚大な危険を生み出す怪物でもあることを、ダイレクトに示しています。

さて、佐藤福島県知事は、4月11日の『知事メッセージ』の中で、県民を励まし、全国からの救助支援に感謝したあと、次のように話しておられます。

 国、事業者はこれまで、原子力発電は何重にも安全対策が施されているから絶対安全だと言い続けてきました。裏切られた思いです。
 私は国、事業者に対して、一刻も早い事態の収束を重ねて強く求め続けています。しかし、残念ながら、未だ収束の兆しは見えてきません。
 私は、就任以来、産業の振興と雇用の確保による活力ある県づくりに心血を注いでまいりました。今本県経済は、農林水産業、製造業、観光をはじめあらゆる分野で想像だにできない大きな被害に直面しており、悔しい思いでいっぱいです。

高校教育に身を置く一人として、将来を担うという崇高な使命と大きな期待を担った生徒たちが、多くを感じ、立ち止まって考え、その結果を日常の自分自身の生き方に反映させることを願うことです。立ち止まらず懸命に学び続けることの意味を知って欲しいと思うことです。

 未来があること希望を持てることはすばらしい。被災地の児童生徒たちが、勉強にスポーツに、部活動にボランティア活動にと、笑顔で活動している報道に接するたびに感動し、元気づけられて来た1ヶ月でした。

 次の1ヶ月、五月晴れが一日でも多くあれ、あの人々に元気を与え続けている『故郷』のメロディーが流れる中野市の花シャクヤクが美しい季節に。

2011年4月19日

こんにちは、中野西高校の本多です。始業式にはこんな話をしました。

4月5日の新年度の始まりにあたりみなさんに申し上げます。
 3月にフィリピンにでかけ、孤児院やストリートチルドレンに係るボランティア活動をした西校生がいました。今朝のニュースでは、コンゴ共和国で国連の小型機が墜落し、乗員が遭難したという報道をしていました。世界銀行副総裁を長くつとめ一昨年『国を作るということ』という本を出した西水美恵子さんの言葉を、はじめに紹介します。

 国つくりは人つくり。その人つくりの要は、人間だれにでもあるリーダーシップ精神を引き出し開花することに尽きると思う。

 未来の社長や首相を発掘せよなどというのではない。育児や家事に勤しんでも、家庭の外に出てどうような職についても、リーダーの仕事には、夢と情熱と信念がある。頭とハートがつながっているから為すことが光る。心に訴えるものがあるから、まわりの人々に、やる気と勇気をもたらす。

リーダーシップ精神をもっている、みなさんの今年度の目標はなんですか?

 進路実現?班活?翔舞祭?

 私はそこに、挨拶 学習 清掃 をくわえることを提案します。毎日の地味な積み重ねを大切にしましょう。

明日4月6日は入学式

 新入生が入学してきます。困っている場面に遭遇したら、さりげなく見守ったり、助言してほしいと思います。下級生からのあいさつを待つのではなく、まず、先輩からどんどんあいさつをしましょう。

不自由な体でがんばっている姿をみかけたらさりげなく暖かい言葉をかけてください。みんなにはおなじみの西校ですが、新入生にはわからないこともそれなりにあります。かつて勤務した学校で、新入生がよく迷って研究室に昇降口の位置を聞きにきたこともありました。名前も知らない先輩から親切にされたら多分みなさんが思っている以上に安心したり感激したりするはずです。 

4月は交通事故も多発する

 自転車通学者は交通法規を守ること、また、道をゆずってもらったり、親切にしてもらったら、必ず大きな声でお礼を言う習慣を身につけましょう。声をかけられた人は、みんな、「なんてすてきな高校生なんだろう」と感動します。

4月21日はクラブ結成式・一斉委員会です。

 新入生がひとりでも多く加入するように、そして入ってよかったと思えるように、先輩として改善や工夫をお願いします。自分にとってプラスだったことはくりかえしてもかまわないけれど、いやだったことマイナスだったことはしないように改善しなければ。

 「やってみせ、いって聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ。」

 まず、自分がやってみせる。説明をきちんと理解できるように行う。そして実際にやらせる。失敗しても、失敗をせめるのではなく、よいところをさがしてほめて勇気づける。そうしなければ、相手は変わらないし行動に移さない。

東北関東大震災からはや20日あまりがたちました。

3月に生徒会が呼びかけたカンパがなんと14万円をこえたことには少々驚いています。年収一億円には程遠い、10円安い飲み物をチェックしている普通の高校生がしたことなので。近隣の高校でも3月4月に同じような働きかけがあり、みんなに元気を与えています。被災地には、いまだ消息不明の高校生、両親をなくした高校生、大学の後期試験の準備をしている卒業生、受験勉強も手につかない高校生、転校をしなくてはいけない高校生など数多くいます。部活をしようにも、グランドも体育館も用具も失った高校生もいます。入学式も始業式も校舎の倒壊や避難所になっているため、いまだ目途のたたない高校もあります。見知らぬ被災者のことを忘れないようにしましょう。そして自分にできることをしましょう。 

2011年1月

こんにちは、中野西高校の本多です。


 経済不況、ことに地域経済の不況や高校生・大学生の就職問題に加え、朝鮮半島問題や沖縄の米軍基地問題と大きな問題が年を越しました。日本の人口が急速に減少していくという大きな流れの中、今後についてどのような展望を持つのかが一段と重要な時代に突入しました。

中学3年生の皆さん方は、総合テストも終わり、いよいよ高校受検が迫ってきましたね。昨年のようなインフルエンザの流行は、幸いなことに、現在のところいわれていませんが、寒い時期に入り体調管理に気をつけなくてはいけないですね。スキー・スケート部員で、冬がシーズンという生徒もいますが、ほとんどの皆さんは、秋までには、部活を引退し、学校で家庭でと勉強も真っ最中。最後まであきらめず、最後まで勉強を怠りなくやって、是非結果につなげてください。

 さて、12月28日に二学期終業を迎えた段階で、三年生の約3分の1の生徒は、4月からの進路がめでたく決定いたしております。残り生徒のほとんどは大学センター試験を受験し、栄冠をめざして最後までがんばることとなります。

2年生は、11月29日から実施された3泊4日の沖縄修学旅行が終わり、自身の中で、進路問題の占める位置が大きくなってきました。ほとんどが進学を希望して入学し、西高で2年間を過ごしてきましたが、学習面においては、現実が理想と合致しない生徒も少なからずおります。積み重ねが全て・毎日を一層大切に思って生きましょう・漫然と将来を考えないように等々、担任からは毎日のように戒められてはいるものの、安易な方向に流れる習性は改善することが簡単ではないようです。

1年生は、入学する前に思い描いたようには必ずしもいかない、現実の高校生活を過ごす中で、少しずつ西高生らしくなってきました。丸かった顔も少し長くなってきたように思います。学年末には完全に高校生の顔となることでしょう。楽しみです。

生徒たちが、今前向きにがんばれているのは、過去の積み重ねと努力のおかげです。苦労があったからです。かわいい子には旅をさせよ、苦労は金を出しても買えなど、子どもが大人になるために苦労が必要であることは、洋の東西を問わず、文化として伝えられてきました。時折読む作家池波正太郎の随筆の中に「苦労の実る人と実らない人がいる」という下りがあります。苦労を同じく体験しても、それを人格的に成長や、成功に結び付けるきっかけにすることができる者と、ただ苦労しただけで、いってみれば『自分は苦労だけは人並み以上にしてきた』とおのれの不運を嘆くだけで、その実りがない者とが存在するということを述べています。苦労の実らない人は年を取っても、顔が甘いままだ、とも書いています。

困難な状況の原因をまわりのせいばかりにしていると、自分を振り返って原因をさぐり、反省を深めることが十分できず、向上のスピードが鈍るように思います。


 日本の若者の就職難は当分続きそうです。まったくどうなるのか?と不安になります。

さて、年齢からいうと十分大人である私は、最近、わらしべ長者の話を思い出します。貧乏たけているしょうもない若者が、自分の歩く道ばたに落ちていた、たった一本の稲のわらから自分の運を次々に開き、やがて大金持ちになるという幸運をつかみとった話です。道に米俵やお札が落ちていたら、だれでも飛びつきますが、一本の藁では無視。もしかすると気づかないで過ぎていくことでしょう。そうはしないで、吹けば飛ぶような一見しょうもないわらにこれまたどこにでもいるハエを結びつけたということが、すごい。子ども時代にこの話を読んだ時、単なるおとぎ話だと感じました。現在はそうは思いません。一見マイナスに見えるものをプラスに見直す能力のことを思います。世の中の成功の多くが、失敗に端を発していることを思うことです。




長野県中野西高等学校長 本多千賀子