高等部

(1) 指導方針
 生徒を取り巻く状況(学校・家庭・地域社会)を常に把握しながら、個別の指導計画をもとに高等部の教育課程を通して卒業後の豊かな社会生活をめざし、必要な知識や技能、態度、社会参加できる力を育てる。
①健康・体力の充実を図る
ⅰ)心身の健康と安定
ⅱ)健全な生活リズムの確立
ⅲ)自分の身体や性についての理解
ⅳ)適度な運動による体力の向上
②身辺生活の確立を図る
ⅰ) 身辺自立(衣類の着脱、排泄、整理整頓など)を個に応じてできる限り一人でできる力を育てる
ⅱ) 社会生活での人とのかかわりを円滑にする観点から身体を清潔に保つ感覚を養う
③人とのかかわりを広げ、集団参加する力を育てる
ⅰ)言語による表現だけでなくその子に合った感情表現を含むコミュニケーションの手段を獲得する。 
ⅱ) 人との好ましい関係を作るためのスキルを身につける。
ⅲ) 様々な生活体験を通して、自他を認め合い、集団生活に参加できる力を育てる。
④知識や技能を実生活に生かしていく力を育てる
ⅰ) 金銭の扱い、余暇利用等経済生活への参加を図る
ⅱ) 作業学習、学級の時間などを通して働くことや家族以外の人たちと生活する経験を積む。
⑤自己選択や自己決定できる力を養う 
ⅰ) 様々な活動を繰り返し経験することを通して、見通しを持って活動できる力や活動を選んだり、決めたりできる力を育てる。
ⅱ) 自己の障がいについて理解を深める。

(2)高等部教育目標
◇自信を持って元気よく生きる
◇自分なりの自立へのみちすじに目当てを持って、自己決定・自己選択する
◇社会生活への夢を広げ、課題を持ち学習に取り組む

(3)高等部の教育課程編成の基本方針
 ① 編成の基本方針
地域での豊かな自立生活の実現を目指し、一人一人が安心して力を伸ばせる学校生活づくりを進められるように、以下のことに重点をおく。また、「心理的な安定」「人間関係の形成」「コミュニケーション」等の自立活動の視点を大切にして、一人一人の教育課題を明確にする。そして、教育課程編成において『自立活動』の位置づけを明確にしていく。
〇生徒が主体的に伸びる作業学習
・各作業班の特性の明確化と個別の指導計画の反映
・個の願いや可能性の芽の明確化
・満足感の積み上げと自信の育み
・支援のための補助具および環境の工夫、できる状況づくり
〇学級を中心にした「心を開ける居場所」づくり
・協力する活動を通して分かり合える人間関係づくり
・不安の受け止めと解決を図る相談の充実
・学級担任者会の確保と充実(生徒理解を深める)
○将来に生きる進路指導
・現場実習を通した実社会の体験と自己の姿の振り返り
・卒業後の具体的な生活イメージづくりと支援者との連携づくり
・社会で求められる人間像を探る  

② 学級編制
◇指導学級は学年別とし、つくしグループの生徒も含む中で、性別・障がいの種別・程度等を考慮して編制する。
◇指導学級において日常生活の指導を行いながら学級活動を行い、仲間づくりをする中で、相互理解を促し協調性を高める。
◇学級の中核活動を設定し、その活動を通して学級集団としての向上を図る。
◇つくし生の受け入れ・位置づけについて
・学級を障がい種別に分けない同年齢の母集団で構成し、そこから個のニーズに合わせて授業を選択し、より焦点的な指導・支援を受けられる1日を送ることを意図する。
・一人一人の生活づくりをともに考え、「つくしグループ」「高等部」それぞれの授業や生活場面への乗り入れを個々の生徒に照らして実施していく。

③ 指導内容について
□ 各教科等を合わせた指導 
     
ⅰ) 日常生活の指導
高等部1年生段階からそれぞれの個人の発達、能力、特性、家庭環境、社会とのつながりなどをふまえ、卒業後の生活のイメージを持てるよう、日々の生活の中での日常的な活動を大切にして学習を積み重ねていく。
朝の会・帰りの会 ;学級対応
◇当番活動を行う。1日の目当てを持つ。1日を振り返る。

ⅱ) 作業学習 ;部を縦割り・作業班別
◇「陶芸」、「縫製」、「木工」、「畑」、「薪」、「手工芸」の6つの作業班で学習する。
◇働く活動という実体験を通して、生徒一人一人が様々な面で成長することを目的にしている。生きる力・働く力を培う。
①自らすすんで取り組むことができる。〈意欲・主体性〉
②自分の願いを持ち、最後までやり抜くことができる。〈耐性・責任感〉
③仲間とともに働く喜びを感じることができる。〈向上心・協調性〉
④日々の作業や販売活動の中で、コミュニケーション(挨拶、報告、言葉遣い、相談、気持ちを伝えるなど)やマナー(身だしなみ、ふるまい方など)を身につけることができる。〈社交性・態度〉
 
ⅲ)ライフ     ;学級・学年でグループ編成
【進路学習】
◇自己理解(適性、能力)を深め、自分に合った進路選択ができるようにする。
◇いろいろな職業について知り、働くときのマナーを培う。
◇就労支援のための機関や制度について知るとともに、仲間とともに卒業後の生活について考えることができる。
【社会生活】
◇自分自身の生活に目を向け、自主的、自立的に生活していく気持ちを持つ。
◇一人一人がより豊かに自立した生活が送れるよう、それぞれに応じた社会生活に必要な知識や技術を学ぶ。
〈指導内容〉
□進路学習、□家庭生活、□医療と健康、□社会生活、□経済生活、□危機管理など

ⅳ)進路指導;生徒一人一人についての3年間の進路学習の目当てを持ち、実践していく。
2週間の産業現場等における実習を6月と11月に行う。生徒の実態により、必要に応じて、この期間以外にも実習を行う場合がある。

□各教科等の指導       
□教科別の指導
ⅰ)私の時間(個別学習)(課題別学習) ;学級・学年
◇個別学習の時間とするが、課題学習も取り入れ、グループでの学習も考える。習熟を深め、定着をはかることを中心とした教科学習や、自立し社会参加する力を養うための学習をする。
◇個の課題に沿って一人一人学習内容は異なる。生徒が自学自習的に取り組み、職員が支援する。
 
ⅱ) 音楽  ;部を縦割りしてのグループ学習
◇「リトミック」、「ダンス」、「歌唱」の3つの学習グループから選択。
リトミックグループ:音楽を通して喜びを味わい、また、コミュニケーションを楽しむ。
ダンスグループ  :音楽に合わせてダンスを楽しむ。
歌唱グループ   :合唱曲、流行曲、季節の歌、楽器を取り入れた歌等。  


ⅲ) 体育  ;部を縦割りしてのグループ学習
◇運動の楽しさを味わう。2~3つの学習グループから選択。(夏期は水泳学習を行う。)
チャレンジグループ:球技を軸にゲームを楽しむ。(会場:サンビレッジ体育館)
フレンドリーグループ:体を動かすことを親しみながら体づくりをする。
(本校体育館、どんぐりホールなど、小グループ化)
朝の運動 ;学級・学年
◇一日の活動を始めに心身の調子を整える。
◇毎日続けることで、体力・気力の向上を目指す。

ⅳ)美術;学校行事などと連携を持たせ、生徒の生活経験を生かした作品づくりをする。
自己表現の一つとして「学級の時間」を中心に「私の時間」でも取り組む。(例年「秋の一日」を行っている)

□ 領域別の指導
ⅰ)学級活動(学級の時間);学級・学年
◇生徒の願いから学級・学年ごとの活動を自分たちで企画運営する経験を積み上げる。またレクリエーションなどを通し、友情を深め、協調性を育む。
◇学級・学年を母体として、日常生活の指導、自立活動、進路指導、性教育、選択授業など、卒業後の生活づくりにつながる内容を扱う。
◇学校行事に関する内容を扱う。
◇上記のような内容を踏まえ、学級毎に主な活動の目当てを決めて、生徒と共にじっくり取り組む。
例 「仲間作りの時間」「進路を考える時間」「調理の時間」「皆で挑戦する時間」等

ⅱ)生徒会  ;部を縦割り・5つの委員会から選択
◇当番活動や行事の運営を通して自治的活動に取り組む。
◇「本部」、「美化」、「保健給食」、「新聞掲示」、「緑化」の5つの委員会がある。
◇道徳・人権教育・自立活動;全ての教育活動の中で実施する。

ⅲ)他の教育活動
◇総合的な学習の時間(主として交流教育);上伊那農業高校との交流を計画・実施し、同世代の青年との交流を通じてお互いを理解し、社会参加を促す。
学級での中核活動、修学旅行に向けた調べ学習など、生徒の興味関心に基づく継続的な活動も含む。
◇部活動;運動を通して体力・技能・気力・協調性などを向上させ、更に積極的な社会参加をしたい希望を持つ生徒たちのために、バスケットボール部・バドミントン部、及び卓球同好会の課外活動を行う。

(4)「学習活動」と各学習活動における選択可能な「学習グループ」
【作業学習】
学習グループ 学習内容の概要
畑班 身体を使って自然の中で働く。高等部畑での野菜作り、加工食品づくり、作物での調理活動、販売活動など
薪班 機械や道具を使って自然の中で身体を使って働く。
薪割り機や斧で薪割り、たが詰め作業、薪の販売活動、納品、(ヤギ等動物の世話)
手工芸班 室内で座ってできる軽作業に取り組む。籐手芸製品、牛乳パック再利用製品づくり、花の苗作り、花の育成、販売活動。 自立活動含む  
陶芸班 粘土を使って、陶芸製品作り
皿・茶碗・カップ等を作る 販売活動
縫製班 ミシン製品、カランコ織製品、裂織製品、手工芸製品の製作、販売活動
木工班 2*4材などを使って木工製品作り
材料から完成まで援助を受けながらも自分で椅子や机等を作る 販売活動

【音楽】
学習グループ 学習内容の概要
リトミックグループ 季節の歌、手遊び歌、リズム遊び、ダンス等リズムや音を体で感じながら楽しむ
ダンスグループ 季節の歌、ダンス、楽器を取り入れた歌等。
歌唱グループ 合唱曲・流行曲・楽器を取り入れた歌等。
【体育】
学習グループ 学習内容の概要
チャレングループ バスケットボール、バレーボール、バドミントン、卓球、ドッジボール等 共通
 ニュースポーツ
・水泳
フレンドリーグループ ストレッチ、ボウリング、ボールリレー等
個人運動 個に応じて体を動かす運動
【選択授業】
学年単位でいくつかの講座を開設し行う